ビジネスコラム
人間の脳は、意外と適当である。

ヒューマンリレーション事業部 大阪支店長 謝 新也


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”Awareness Test”をご存じでしょうか。

人間の脳がいかに適当であるかを理解させるテストで、有名な動画にムーンウォークベアがあります。

白い服の4人と黒い服の4人が1つのバスケットボールでパスをし合い、白い服を着たもの同士が何回パスを交換したか数えてください、というお題がでます。

お題は意外と簡単に解けるのですが、実は別に本題があり、8人がパスをしている中でクマがムーンウォークしていたけど、誰も気づかなかったよね?というオチになっています。

「人間の脳は認知したいことを自ら選択し、それ以外は無視する」ということを、わかりやすく表現したテストです。

採用活動で考えると、学生が自発的に企業に対する勝手なイメージを作り上げて企業を認識しているのが、同じ要因ですね。

例えば、
・大手企業の方が中小企業より安定している
・○○職はとても華やかな仕事だ
・△△業界は勤務時間が長そうだ
のように、良くも悪くも勝手に企業イメージを持たれているせいで、採用に苦戦している企業も多いのではないでしょうか。

そしてこのイメージの集合体が、企業の採用ブランドとなるのです。

ならば、「採用ブランド=学生の脳で自発的に生まれる、入社理由につながる企業イメージ」と定義できそうです。

採用市場が過熱している今、採用ブランド力は優秀な人材を獲得する上で必要不可欠です。ではどうすれば高い採用ブランド力をつくることができるのか。

ここでキーワードとなるのは“自発的”ということです。

つまり学生は、自分で勝手に情報を認識し、イメージを作りあげ、採用ブランドを形成しているのです。

中小企業の場合はそもそも存在すら認知されていないことがほとんどですが、だからこそ、イメージが出来上がる過程を整理し、それに合わせて意図的に伝えたい情報を様々な方法で発信することができれば、競合企業に負けない採用ブランドを身につけることが可能となります。

ポイントは3つあります。

1.求職者に抱かせたい企業イメージを整理する
学生が自社に対してどういう採用ブランドイメージを持って欲しいのか。まずはしっかり整理し、言語化しなければなりません。

2.全社で共有し、あらゆる接点で意識する
採用活動を分解すると、学生との接点はものすごくたくさんあります。就職媒体や合同説明会はもちろん、説明会時の受付や電話応対など、接触するすべての場面で学生は自社のイメージを作りあげます。
学生との接点を整理し、それぞれの接点で学生に持って欲しいイメージを伝える努力をする。そのためには1で整理した内容を、全社員が共有していることが大切です。

3.ブランディング活動を継続する
採用ブランド力はすぐには高まりません。ブランディングを意識した採用活動を毎年継続的にし続けることによって、採用ブランド力は高まっていきます。継続し、積み重ねることで、より強固な採用ブランドが出来上がっていくのです。

難しく聞こえるかもしれませんが、しっかり手順を踏み、真剣に取り組めば、どんな企業でも採用ブランド力を高めることができます。

冒頭の動画は、ユーチューブで検索するとすぐに閲覧できますので、ぜひ一度試してみてください。

クマに気づかなかった場合、貴社の採用活動は見直しが必要かもしれません。


2016.11.23 KSN 130

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