「近大マグロ」という言葉をご存知でしょうか。
関西にある近畿大学の水産研究所が
完全養殖に成功したマグロの名称です。
近大マグロがメディアに取り上げられ、
世間から「あのマグロの大学ね」というイメージが定着した頃に
制作された広告ポスターのキャッチコピーが、
「マグロ大学言うてるヤツ、誰や?」
です。
関西の方は駅などで見たことがあるかもしれませんね。
ネットでも話題になった広告です。
ポスターでは、キャッチコピーに続けて、
マグロが語りかけるように、
近畿大学のすごいところはマグロだけじゃない。
なのに、マグロだけだと思われているからもったいない。
近畿大学の良いところをもっともっと伝えて、
関西トップの私立大学へと引っ張っていきたい。
『マグロ大学』から、『マグロどころじゃない大学』へ。
と書かれています。
実際に、近畿大学は2014年から3年連続で
入学志願者数で日本一になっています。
このプロモーションから学べることはたくさんありますが、
今回注目したいのは、
『強い広告をつくるには、強い事実が必要だ』
という点です。
まず、強い事実があることが重要で、
その上で、その事実を活用して、
ブランディングを加速させるための強い広告をつくる。
という発想を持つことが非常に大切です。
そして、もう一つ大切なのは、
『強い事実はつくれる』ということです。
近大マグロのように
“世界初”をつくることは容易ではありませんが、
ターゲットと目的を明確にすれば、力強い事実はつくれるのです。
たとえば、採用活動に焦点を当てると、
とある企業様は、
圧倒的な成長意欲を持った人材を採用するために、
『社長確約採用』という強い事実をつくりました。
入社して3年目の4月に新会社を設立し、
その会社の社長に就任することを確約するという採用制度です。
この企業様は企業向けの研修事業を展開しており、
「クライアント企業の人材育成を生業にするからには、
自社で採用した社員を
圧倒的に成長させられなければおかしいと思う」
というメッセージと合わせて、広告展開をしました。
また、同企業様は同時に、
『学生が面接官を自由に選べる』
という仕組みを採用活動に取り入れ、
30数名の社員のうち、20名以上の社員を
面接官候補としてサイト上にアップ。
さらに、自分で選んだ面接官が
入社後の最初の上司になるという仕掛けを実践されました。
この2つの取り組みは話題になり、
結果、複数のメディアに取り上げられ、採用活動も成功しました。
上記は、採用活動の仕組みにより強い事実をつくった例ですが、
それ以外にも、職種や仕事内容の設定、
キャリアプラン、新サービス、福利厚生など、
様々な切り口で強い事実づくりは可能です。
今日の時点で学生からの知名度が低く
“世界で初めて○○に成功した”という強烈な事実がなくても、
ターゲットと目的を明確に定めることで、
強い事実をつくることはできるのです。
コラムへのご感想・ご意見など、ぜひお聞かせください。
→letter@kakehashi-skysol.co.jp