『課長。内定者の○○さんから電話です』
この時期、内定者からの連絡。
辞退か・・と、
ドキっとした経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今年はすでに複数内定を持っている学生が、
40%というデータがあります。
さらに学生全体の内定率は80%というデータもあり、
辞退者の分を追加採用という施策は、
成り立ち辛いと予測されます。
採用人数1~5名程度という中小企業において、辞退は致命傷。
内定出しと、その後のフォローをどう工夫するかは、
ますます重要度が高まっています。
マリッジブルーならぬ、内定ブルーという言葉があります。
内定取得済み学生が、本当にその企業でいいのかと悩み、
不安で憂鬱な気分になる状況を、
うまく言い表しているなと感心してしまいます。
バブル期並みの採用難易度とは言いますが、
内定者への過剰対応が有名だった物量戦の時代とは異なり、
現代の内定者への対応は、心理戦の様相を呈しています。
内定ブルーに象徴されるような、
学生の不安を払拭できるかが最大のカギになるのです。
不安払拭の際に注目すべきキーワードは次の4つ。
1 存在意義
2 ライフスタイル変化
3 人間関係
4 仕事・キャリア
1 存在意義
いかにも現代風ですが、
なぜ自分なのか?その企業で自分は何ができるのか?
という不安が、学生にはつきまといます。
解消策は良いフィードバック。
内定出し時に、各選考中の評価や、
リクルーター所感をフィードバックしているお客様があります。
説明会時の印象まで細かく伝えているのです。
手間を伴いますが、
学生からは非常に好評で、自身の選ばれたポイントや、
その企業での存在意義を再確認できることで、
辞退はほぼ起きていません。
2 ライフスタイル変化
社会人になることは、ライフスタイルが
大きく変化することでもあります。
住む場所、生活サイクル、休日の過ごし方などの変化は
不安を煽るのです。
メンター制度、人事による相談会は、
こういった不安払拭に効果を奏します。
3 人間関係
誰もが感じる人間関係への不安。
内定者懇親会などは内定者同士の横のつながり、
先輩社員面談や、社員交流は縦のつながりにおいて
効果があります。
弊社でも毎年、事業所のある奄美大島で内定者研修を行い、
寝食共にする中で、相互理解を深めてもらっています。
4 仕事・キャリア
仕事・キャリアは未経験者である以上当然の不安。
内定者時期からの研修は必須になりつつあり、
内定者側も前向きに参加しています。
仕事理解やキャリアイメージを深める為に、
ディスカッションや、ゲーム形式など、
工夫を凝らしたやり方も増えています。
以上が、4つの不安払拭ポイントです。
採用活動の工夫に予算をかけている企業は多くなりました。
しかし、最終段階の内定出しや内定者フォローは、
出たところ勝負という企業もまだ多く、
だからこそ、ここでの工夫は差別化になります。
よく採用活動は恋愛に例えられますが、
内定出しをプロポーズ、
内定者フォローは結婚準備期間と捉えるならば、
内定ブルーにさせないような施策が、
一生もののイベント成功のカギ。
そして結婚(入社)後の生活にも大きくかかわってくるのです。
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