顔、禁煙、受験料、旅、謎解き。
これらはすべて、実際に企業が実施した採用手法です。
ニコニコ動画を運営しているドワンゴが実施した「受験料」は、
一都三県在住の学生が採用試験を受ける場合、
受験料として2,525円を徴収するというもの。
学生がよく検討せずとも100社でも150社でも
エントリーできる状況に疑問を感じていたことと、
本当に意欲の高い、資質ある学生に来てほしいという狙いで
この受験料制度が実施されました。
結果として、大手就職サイトへの掲載を止めたこともあり、
エントリ―数は昨対6割減ながら、
欲しい人材の応募数は増加し、採用人数が増えたそうです。
(参考:PRESIDENT 2014年12月1日号)
もう10年以上、大手就職サイト一辺倒だった就職活動も、
IT機器や高速通信インフラの普及によって状況は変わり、
採用市場には新しい採用手法が数多くでてきました。
様々な手法が新しく生まれているのもそうですが、
本当の意味で何が新しくなったかというと、
企業の採用に対する考え方です。
大きくまとめると、
“できる限り母集団を多く集めて採用ターゲットを探したい”
ではなく、
“ピンポイントで採用ターゲット学生に振り向いて欲しい”
という考え方に変わったと言えます。
主戦場が就職サイトに限られていた頃は、広告量を増やすか、
原稿を工夫する程度しか差別化できる場所がなく、
結局は投下する広告予算額が採用成功の鍵を握っていました。
しかし今や、学生のITリテラシーの高まりにより、
自ら情報を探し、取捨選択する能力が格段に向上しているため、
たとえ大手就職サイトに掲載しなくても、
学生が興味ある企業や分野を検索し、見つけ出してくれます。
例えば当社ミートボウルの「麻雀採用」参加学生に聞いたところ、
自分の趣味を就活に活かせるのかどうか、
「マージャン 採用」と検索してみたという学生がいたり、
趣味を知る友人や先輩から聞いたという声がありました。
学生をより多く集めて採用する時代から、
欲しい学生に振り向いてもらう時代へ。
この時代に必要不可欠となるのが、採用ブランディングです。
採用ブランディングのポイントは大きく3つあります。
1.ターゲット人材が興味を持ちそうな魅力の整理
2.SNSや採用サイトを活用した自社独自の情報発信
3.話題性があり学生間でクチコミの広がりそうな採用コンテンツ
この3つを展開できれば、企業規模に関係なく
自社の求める人材を振り向かせることができます。
そして、採用ブランドは積み重ねです。
一度構築され、ブランドイメージが積み上がれば、
比例して学生が振り向きやすくなり、
結果的に採用費用もおさえることができます。
ターゲット学生が自社にたどり着くために、
という視点で、新しい採用手法、採用ブランドのあり方を
考えてみてはいかがでしょうか。
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