世界一「チャレンジしない」日本の20代
これは、昨年末の『Newsweek日本版』で発表された
記事のタイトルです。
「新しいアイディアを思いつき、
クリエイティブであることを大切にしている」
にYESと答えた日本の20代は50.9％、対して米国は73.2％。
「冒険してリスクを冒すこと、
刺激のある生活を大切にしている」
では、日本が23.1％、米国は55.8％で、こちらも大差。
調査をおこなった59カ国の中で日本の23.1％が圧倒的に低く、
この記事タイトルになったのです。
もうひとつ、最近の若者の調査結果で、
日本人学生の学力は向上している、という事実があります。
PISA（国際的な学習到達度に関する調査／65カ国／3年ごと）
の調査で、日本の順位はこう発表されています。
・数学的リテラシー：2006年10位→2012年7位
・科学的リテラシー：2006年6位→2012年4位
・読解力：2006年15位→2012年4位
2000年PISA調査で世界トップクラスの順位を誇った日本が、
2003年調査で急落。「PISAショック」と呼ばれました。
続く2006年調査でも順位は上昇せず、
ゆとり教育から学力向上へと政策が転換された結果、
日本の学生の学力は向上しはじめたのです。
また、インターネット環境の整った社会で生まれ育った
彼ら彼女らのITリテラシーは極めて高いレベルです。
付随するPCスキルはもちろん、
情報収集力、マーケティング力など、
これからの時代さらに重要度の高まるスキルを
すでに有する人材が多く、その割合が非常に高いのが、
最近の若者という人材層です。
そして、私が学生と接する中で最も変化を感じるのは、
「人を信じるチカラ」です。
東日本大震災をきっかけに、若者の社会貢献欲求が高まり、
自分の為ではなく、誰かの為に頑張りたい若者が増えました。
就職先を選ぶ基準でも、「企業の社会貢献性」を
重視する学生は年々増えています。
日常の仕事場面でも、たとえば後輩の指導に熱心で、
個人プレイよりもチームワークを大事にするなど、
20代の貢献欲求を感じることがあるのではないでしょうか。
また、競争に勝つためには手段を選ばないタイプや、
意図的に悪意ある嘘をつく、
相手を蹴落として自分が上がる、といった考えの学生には、
近年、ほとんど出会ったことがありません。
学生から共通して感じるのは、仁義を重んじ、
自分が信じた相手、期待してくれている相手に
何とか貢献しようと、前向きに、一直線に動く姿勢です。
信頼と貢献欲求が原動力となるのですから、
まずは彼ら彼女らを信頼することです。
そして信頼される存在になることで、
採用成功や入社後の活躍、ひいては定着が、
より確実なものになるのだと思います。
世界一「チャレンジしない」日本の20代も、
そこに信頼という安心感があれば、
最近の若者ならではのチカラを発揮できるはずです。
出る杭を打たず、推奨する組織をつくる。
失敗には叱責ではなく、賞賛を送る。
こういった一つひとつの取り組みが意識を変え、会社を変え、
若者の資質を開花させるのではないでしょうか。
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