採用活動をおこなう上で、学歴をどのように捉えるか。
企業によって様々な考え方があると思います。
「うちはやはり学歴を重視する」
「迷った時は学歴を見るようにしている」
「学歴は関係ない。人柄を重視する」
もちろん、必ずしも学歴が高い人材が優秀で、
そうでない人材が優秀でないわけではありませんが、
数十年前から現在に至るまで
学歴を重視する企業が数多く存在し続けるからには、
採用基準と学歴の関係について
考えてみる必要がありそうです。
採用活動において学歴というと、
ほとんどの場合は最終学歴を指します。
つまり、どの大学、または大学院を卒業予定かです。
最終学歴を重視する企業の立場になって考えてみると、
活躍している社員の最終学歴と学生の最終学歴を照らし合わせ、
より活躍する確率が高い人材を採用しようと考えるのは
理にかなっているようにも思います。
ただし、大学への入学経路は様々で、同じ大学でも、
一般入試で入学した学生と推薦で入学した学生、
あるいは他大学などから編入した学生とでは、
歩んできたプロセスも、
入学に際して求められる学力も異なります。
ですから、一概に最終学歴だけを見て、
学生を区分することはできなさそうです。
では、どのように学歴を読み解くのか。
私が人事担当なら、最終学歴というラベルではなく、
どんな環境で学んできたのか。
どんな水準で学んできたのか。
どんなことを学んできたのか。
どれだけの努力をしてきたのか。
というその中身を読み解こうとします。
それぞれの教育環境において、継続して努力し、
結果として一定水準以上の「最終学歴」という
成果に至ったプロセスを評価したいと考えます。
つまり、最終学歴の偏差値や難易度自体よりも、
その学生固有の「学習してきた履歴=学習歴」を
判断材料にします。
しかし、面接で学生の学習歴を把握すること、
正しく理解することは意外と難しいものですし、
履歴書やエントリーシートだけで読み解くこともできません。
ならば、いかにして学習歴を読み解くか。
その一つが、出身高校を見ることです。
高校へは多くが一般受験で入学しますから、
地頭の良さを見るという点においては妥当な基準ですし、
中学受験で中高一貫校に入学しているなら、
教育熱心な家庭に育ち、早くから
目標達成意識や競争意識を持ちながら育ったと
考えることができます。
多感な高校時代をどのような環境で過ごしたか、
という視点を選考基準に取り入れることで、
人材を見る目はより立体的になります。
2017年度の採用活動が本格化する前に、
自社の学歴についての考え方について、
いま一度、整理してみてはいかがでしょうか。
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