多くの企業が学生にコミュニケーション能力を
求めるのと同じように
優秀な学生を採用するには当然、
企業側にもコミュニケーション能力が求められます。
優秀な学生を採用するにあたって、
企業にはこれまで2つのコミュニケーション能力が
求められていたと私は考えています。
1つ目は、「対面でのコミュニケーション能力」です。
学生に対して、自社や自分自身をプレゼンテーションし
魅了する力。
また、学生の話を引き出すことで志向や適性を推し量る力です。
2つ目は、「広報活動におけるコミュニケーション能力」です。
ナビ媒体や採用サイト、あるいは入社案内パンフレットなどで、
ターゲット学生に向けて自社を魅力的に表現する力です。
私はこれを広告コミュニケーションと呼んでいます。
上記2点は、
採用活動を成功させる上で非常に重要なポイントです。
しかし、数年前から、
上記2点に加えてもうひとつ、採用活動を成功させる上で
企業がコミュニケーション能力を発揮すべき
シチュエーションが出てきました。
それが、
「SNSを活用するコミュニケーション能力」です。
2004年にサービスが開始された
世界最大のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
であるFacebookをはじめ、数年前から多くの企業が
採用活動にSNSを取り入れています。
採用活動でSNSを活用するメリットは
主に4つあります。
1.記事を投稿するのに費用が掛からない。
2.更新しやすい。
3.学生と双方向でコミュニケーションがとれる。
4.つながった学生から、その知人へと情報が伝播していく。
採用市況が益々厳しくなる昨今において、
学生とのコミュニケーションを
より手軽に、より積極的に図れるわけですから、
SNSを採用活動に活用している企業様が多いのも納得です。
ただし、お金をかけずに実行できる施策だからといって、
安易にはじめると大変なことになります。
いわゆる炎上問題です。
SNSは特定の個人に対してだけでなく、
広く世の中に情報を発信するメディアですから、
たった一人の社員のSNS上での発言によって
企業全体の信頼を大きく損ねるリスクがあります。
実際に、SNSが採用活動に活用されるようになって以降、
毎年のように炎上騒ぎが起きています。
対面でのコミュニケーション能力や
広告づくりにおけるコミュニケーション能力と同じように
SNSをいかに上手に活用できるかは、
新たなコミュニケーション能力、つまり、スキルです。
採用活動に活かすには、スキルのある社員を育てるか、
スキルのある人を採用する必要があるのです。
お金が掛からないから、とりあえずやってみるのではなく、
自社の採用成功を引き寄せる施策として
SNSの活用法を真剣に考える。
そして、活用するにあたってのガイドラインを定める。
さらには、適性と資質のある社員に任せ、育てる。
いなければ採用する。
SNSの活用がこの時代の採用活動に
有効な施策であることは事実ですが、
決して、簡単に成果があがる特効薬ではありません。
費用が掛からない分、スキルが求められるのです。
2017年度の新卒採用を控えたこの時期に、
自社が得意なコミュニケーション能力、
強化すべきコミュニケーション能力について
一度整理してみてはいかがでしょうか。
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