大手企業、特に上場企業を中心に
CSR活動への取り組みは、益々盛んになっています。
CSRとは何なのか。改めて調べてみました。
経済産業省の定義によると、
「CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)とは、
企業が社会や環境と共存し、持続可能な成長を図るため、
その活動の影響について責任をとる企業行動であり、
企業を取り巻く様々なステークホルダーからの
信頼を得るための企業のあり方を指します。」
とのことです。
つまり、自社さえ良ければいいという考えでなく、
社会と共存するために行動し、
結果として周囲からの信頼を得る活動
ということのようです。
そう考えると、
CSRは大手企業・上場企業だけのものではない。
むしろ、多くの中小企業こそ、
CSRという言葉こそ使っていないものの、
立派なCSR活動に取り組まれているのではないでしょうか。
中小企業のCSR活動として
私が真っ先に思い浮かぶ例は、東京都町田市にある
株式会社ヤマグチ(でんかのヤマグチ)様の取り組みです。
度々テレビでも取り上げられている企業様なので
ご存知の方も多いと思います。
同社は、「かゆいところに手が届くサービス」をモットーに
電気屋さんとしてのサービスの域を超えて、
お客様から頼まれれば、
外出中に急に雨が降ってきた時の洗濯物の取り込み、
ペットボトルの飲料などの重たい買い物、
さらには旅行中の留守番など
可能な限りなんでも対応しています。
高齢者の方が多いこの地域では、
困り事を解決してくれる企業として
とても愛され、信頼されているそうです。
ここで注目したいことが2つあります。
一つは、同社の取り組みが
地域社会の課題解決に貢献しているということです。
地域に根ざした経営をする中小企業だからこそ、
その地域のことを十分に理解し、
地域社会の困り事を解決できる。
中小企業にとってのCSR活動とは
まさに地域への貢献活動なのだと思います。
もう一つは、自社の本業と
密接な関係のある取り組みをしているということです。
ボランティア活動や寄付なども大切な取り組みですが、
自社の経営資源を活かせる取り組みをすることで、
長期的な地域社会への貢献ができる。
そして、地域の課題解決に向けて
自社ならではの取り組みをすることで、
地域の住民の方から信頼を得て、
結果として、その地域における
自社ブランドの醸成にもつながるのです。
大切なのは、順番です。
自社が利益を得るために
どんな取り組みをすべきなのかと考えるのではなく、
自社だからこそできる地域への貢献とはなんだろう
と考え、実践する。
不思議なもので、自社の利益を優先させた取り組みでは、
下心が透けて見えてしまうものなのです。
これを機に、自社で無意識にでも取り組まれている
地域社会への貢献活動を一度、洗い出してみませんか?
そして、地域社会と共存共栄するために、
自社だからこそできる地域貢献について、
考えてみませんか?
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