スケジュールが大きく変更となった2016卒採用。
貴社の採用活動はどのように変化したでしょうか。
全体的に見ると、
学業の優先と就職活動期間の長期化是正のためだったこの変更が、
学生、企業双方の不安をかきたて、水面下での早期活動を助長。
皮肉なことに、就職活動はより長期化する結果となり、
いったい誰のための変更だったのかという疑問の声が
いたるところで聞かれます。
しかし私は、このスケジュール変更によって、
学生と企業との出会い方が大きく前進したと捉えています。
学生と企業の出会い方のスタンダードは、
大手求人サイトに掲載した企業情報を学生が見て応募し、
会社説明会の開催から選考活動がはじまるスタイルです。
この枠組みが日本の採用活動に定着して十数年、
学生と企業の出会いは効率を極め、
出会うまでの工数は最小限にまで軽減されました。
反面、この枠組みが、
学生と企業の出会い方の多様性を奪ってきたことも事実です。
テレビCMなどで有名な企業や人気業種を検索することが
就活のスタートであり、出会いの入り口となったことで、
学生は、自身の適性や志向に合う企業や職種を探すよりも、
その検索結果にある企業からの内定獲得を目標にするように。
企業側から見ると、求人サイトの機能の向上と
学生の高い検索能力により、
検索結果での偶然の出会いを求めることが難しくなりました。
かつては出会いのチャンスを広げた枠組みが、
高度化し、効率を極めた結果、学生と企業の動きを画一化し、
多様性を排除するという弊害を生んだと言えます。
その課題に一石を投じたのが、今回のスケジュール変更でした。
正確には、スケジュール変更への不安感が、
常識化していた枠組みへの依存に気づかせ、
新しいスタイルへの挑戦を促したのではないでしょうか。
十分な人数の学生と出会えないかもしれないリスク、
選考中にも内定通知後にも辞退されるリスクなど、
スケジュール変更で想定される様々なリスクを回避するために、
多くの企業が積極的に新しい取り組みを模索し、取り入れました。
たとえば、
・焼肉を食べながら学生と企業が語り合うイベント
・学生がプレゼンブースを設ける合同企業説明会
・学生が特技を競い合うイベント
・ゲーミフィケーションを用いた会社説明会
などが、2016卒採用で目にした新しい出会いの施策です。
弊社運営サイト・ミートボウルの、もうお馴染みとなった
麻雀採用、頭脳ゲーム採用などのイベント企画に加え、
島キャンからヒントを得た離島インターンシップ企画など、
弊社でも新しい出会い方を量産した採用年度でした。
調べていただくと、他にもたくさん驚くような採用イベントが
おこなわれていることを実感されると思います。
新しい出会いの取り組みの多くに共通するのは、
直接会い、場を共有するイベントであるということです。
これまでの出会いのきっかけは「社名・業種・職種」。
学生が検索した結果、社名にたどり着くことが出会いでした。
新しい取り組みによる出会いのきっかけは、
「なんだか面白そうな」「自分が活きそうな」イベントです。
そのイベントに参加することで、企業と出会う。
学生にとっては、限りなく偶然に近い出会い方と言えます。
新しい出会い方として特徴あるイベントを取り入れ、
学生との偶然性の高い出会いを生み出し、マッチングに至る。
スケジュール変更を機に、
旧来の手法では出会えなかった学生の採用を実現したのは、
効率重視から抜け出し、偶然性に可能性を見出し、
手間をいとわず効果を求めた企業です。
採用スケジュールの変更には確かに負の側面も多くありますが、
出会い方が多様化し、新しいマッチングが起こっているのは、
大きなプラスの成果です。
2017卒も同じスケジュール、同じ売り手市場と予測されます。
学生の検索を待つ採用から、
偶然の出会いのために少しの必然を用意する採用へと、
視点を切り替えてみてはいかがでしょうか。
思いがけない素敵な出会いが、待っているはずです。
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