「一番厳しい人に仕事の基準を合わせなさい。」
18年前、新入社員だった私への、
当時の上司からの言葉です。
この言葉が若手時代の私の仕事のベースとなりました。
若手時代を振り返ると私はとても恵まれていて、
上司や社内の先輩だけでなく、
お客様からも愛情深く育てていただきました。
違ったことは違うと指摘いただいたり、
客としてはこう感じる、もっとこうしてくれた方が嬉しい、
こんな情報が欲しいなど、多くのヒントをいただきました。
こうしてお客様や上司に求められれば求められるほど、
その期待に応えようと必死になっていたことを思い出します。
そして、期待に応えるために必死になることが、
今も変わらない私の基本なのだと思います。
その後、年次を重ねて初めてチームを担当した時、
若いメンバーの育成を任されたという事実、
自分の仕事だけでなく、部下の指導とその結果も
上司からの期待なのだということに、戸惑いを感じました。
何も考えずにただただ突っ走っていた私は、
部下に自分基準を押し付けたり、結果を求めるばかりで、
当然ながらチーム運営は失敗の連続。
ようやく部下育成が何たるかを考え、悩み、
自分が若手だった当時の上司はどう私に接してくれたのかを
振り返ってみた時に、冒頭の言葉を思い出したのです。
「一番厳しい人に仕事の基準を合わせなさい。」
一番厳しい人とは誰か。
その人と自分の仕事のレベルの差はいかほどか。
分からないレベル差なら、分かるようになるしかない。
仕事の基準とは何か。
基準が作るものは何なのか。
それが見えるようになるまで、勝手に判断してはいけない。
そこまでがむしゃらに成長しなければならない。
私自身が仕事のレベルを考え、向き合えるように、
高い目標を設定できるように上司がくれた言葉なのだと、
自分が指導する立場になった時、気づくことができました。
最初から意味を理解しきれてはいませんでしたが、
それでもこの言葉があったからこそ、
求められる以上の成果を出そうと意識していましたし、
日々ただひたすらに量をこなすことで、
その真意が腹に落ちる日を目指していたように思います。
4月に新入社員が入社してから、もう3ヶ月が経過します。
少し前まで新人と呼ばれていた2年目にも後輩ができ、
3年目以上の先輩社員も、それぞれ年次を重ねました。
彼ら彼女らに年次の浅いうちに身につけてもらいたいもの。
それは、よい習慣ではないでしょうか。
20代の成長は、仕事量に比例します。
まずは徹底的に仕事の量をこなすこと。経験すること。
量が質を生むのだと体感することです。
そして、仕事量に比例する成長の速度と角度を決めるのが、
取り組み姿勢や考え方のベース、習慣と言えるでしょう。
習慣は、若いうちでないと身につけるのが難しいのです。
習慣は第二の天性と言います。
よい習慣を身につけてほしい。そう意識しながら、
日々ひたすら仕事に取り組める環境を作ることが、
近い将来、会社の屋台骨となる人材を育成する
私たちの役割なのだと思います。
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