採用スケジュールが後ろ倒しとなった2016年度採用。
3月の広報解禁から3ヶ月が経過し、
新しいスケジュールでの傾向や結果が見えてきました。
振り返れば、後ろ倒し決定から一気に注目が集まったのが、
2015年度までと同様に大学3年の6月から広報をスタートできる
インターンシップでした。
優秀な学生との接触を求める企業がこぞって開始し、
インターン実施企業数は15年度から127%の伸びを見せています。
学生もまた、企業研究のため、就職活動時のネタ作りのため、
就活期間短縮による内定獲得への不安感払拭のためなど、
その動機は様々ですが、インターンシップ参加割合が増加。
インターンシップは、企業と学生、
双方のニーズが高まっている施策だと言えそうです。
しかし、学生の本分、学業に専念する時間を確保するために
実施されたはずのスケジュール変更が、
実質的な就活期間の長期化を決定的なものにしたというのは、
何とも皮肉な話ですね。
とはいえ、2017年度インターンシップの広報開始は目前です。
採用スケジュールが今年と変わらず、
かつ、求人企業数が増えている市況を踏まえると、
いかに夏からのインターンシップ期間に学生と会うか、
会った学生に自社を印象づけるかが、
2017採用成功の肝になることは間違いありません。
一方、中小企業の採用担当者様からは
「インターンシップは採用に結びつかない」
という声をよく聞きます。
中小企業の場合、参加者がそもそも少ないこともありますが、
もっと大きな要因は、
インターンシップに対する思い違いにあるように思います。
入社したい学生が、入社に向けて有利になるように参加するのが、
大手有名企業のインターンシップ。
就活のネタ作り、社会人と話す練習のために参加するのが、
中小企業のインターンシップです。
この違いを認識されているでしょうか。
中小企業にとっては厳しい現実ですが、
社名も知らない企業の就業体験には興味ないし、
就活がはじまっても自己PRネタにもならなそうだな、
というのが、学生の本音なのです。
では、中小企業はどうすればいいのか?
それは、社名でも業種でも職種でもない参加動機を提供すること。
動機となる「コンテンツ」を創ることです。
たとえば、
・リアル人生ゲーム
・街づくりシミュレーション
・トレジャーハンティング
・リアル謎解きイベント
などは、
実際にインターンシップ企画として実施され、
多くの学生が参加しています。
学生時代が10数年前の私の感覚では、
就業体験がゲームだなんて、という気持ちがありますが、
アプリ世代の今の学生にとっては、興味を持ちやすく、
楽しさを想像できるので、参加意欲もわくのでしょう。
複数企業での合同インターンシップ企画として実施し、
1社単独では実現できない人数との出会いを実現するのも、
ひとつのコンテンツ化の形と言えます。
ゲームを楽しみながら学べる就業体験、
一度のインターンで複数企業に出会えるお得さなど、
学生の参加動機の提供と参加メリットの提示が、
中小企業のインターンシップの必須要素なのです。
この10年ほど、企業の採用活動は大きくは変化していません。
進化していないとも言えます。
しかし、学生のタイプは大きく移り変わっています。
学生の変化は、時代の変化、マーケットの変化です。
まずは自社のインターンシップ企画をどう変化させられるかを
自由に発想してみることで、
採用活動の進化が見えてくるのではないでしょうか。
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