今年2014年6月、カンボジアの首都プノンペンに、
大型ショッピングセンター、イオンモールがオープンした。
イオンモールプノンペンの約190店舗のうち、
日本からの出店テナントは49店舗で、全体の25%を占める。
弊社は2012年8月に現地法人KAKEHASHI CONSULTING CO.,LTD.
(株式会社カケハシコンサルティング)を設立した。
当時、2012年度のカンボジアに進出していた日系企業は101社。
2年経った今、2014年4月時点では128社にまで増えており、
イオンモール出店も加味すると、日系企業は200社に迫る勢いだ。
なぜ、カンボジアなのか。
弊社が海外現地法人を設立する最初の国として、
ASEAN10カ国のうち、なぜカンボジアを選択したのか。
その理由をよく聞かれる。
弊社は人材業であり、その見地から進出理由を述べれば、
カンボジア人の気質の日本との親和性はもちろん、
国としての経済成長性、産業発展への期待度、政情の安定度、
米ドルの流通性、日本人がカンボジアに抱くイメージなど、
数え上げればキリがない。もっと平たく言えば、
カンボジアという国のサイズ、つまり人口や経済規模が、
弊社が進出するのにいいサイズだった、というのが一番だ。
人口約6,700万人のタイと、約9,000万人のベトナムに挟まれて、
約1,500万人のカンボジア王国がある。
今注目の集まるミャンマーは約5,000万人。
近隣国のマーケットサイズと比較しても、
カンボジアは日本の大手企業向きではないのだろう。
日本企業の進出が増加しているとはいえ、
タイやベトナムへの進出と比べれば、日本企業の意欲は強くない。
弊社がカンボジア現地法人設立と同時にスタートしたのは、
プノンペンにある私立カンボジアメコン大学で
日本語ビジネス学科に就学する学生の学費を日本企業が支援する
「Student KAKEHASHI Program in Cambodia」
(カンボジア学生カケハシプログラム)という奨学支援だ。
この奨学金によって就学を支援する対象は、
カンボジアの都心部ではなく、主に地方在住の高校生だ。
優秀ではあるが、貧困のために大学進学が困難な高校生を対象に、
カンボジアメコン大学ビジネス日本語学科へと招聘している。
地方出身の学生がプノンペンで暮らし、4年間大学に通う費用は、
1人当たり30万円で賄うことができる。
カンボジアの地方の農家では捻出できない30万円も、
日本企業にとって、1人の若者の日本語を学ぶという夢を叶え、
将来国の発展を支える人材の育成費用と考えれば、高くはない。
実際、この2年間で奨学支援をいただいた企業はまだ7社だが、
将来の日本語人材が7名増えたことは間違いない事実だ。
彼らの大学での授業や日本語力の成長を実際に見ている弊社は、
将来、彼らが確実に日本企業のためになる人材となり、
カンボジアの発展に寄与する人材となることを確信している。
これからも地道に、近く小口寄付を募る仕組みも追加して、
カンボジアの日本語人材育成支援として続けていきたいと思う。
また、来月11月にはプノンペンで、念願の学校
「KAKEHASHI International & Business Institute」
(カケハシインターナショナル&ビジネススクール)を開校する。
開校予定地は、プノンペン北部に位置するトゥールコックという
プノンペン市内で2番目の高級住宅街で、学校の多い地域にある。
ここで4階建ての建物を学校へと改装し、準備している。
日本語と英語と中国語の3か国語を学べる
インターナショナルスクールとして運営し、
3年後には生徒数1,000名規模を目指す予定だ。
この学校の卒業生も、近い将来日本の様々な分野で活躍する
優秀なカンボジア人日本語人材となるだろう。
奨学金のカケハシプログラムに続く日本語人材育成事業として、
注力していきたいと思う。
日本の人口構成と労働力を考えれば、
外国人労働者の受入れ問題は避けて通れない課題である。
簡単なことではないが、我々もこの課題解決に取り組んでいる。
そして、カンボジア進出から2年を経て、やっと今、
弊社の考える人材構想のスタート地点に立てたことを報告したい。
コラムへのご感想・ご意見など、ぜひお聞かせください。
→letter@kakehashi-skysol.co.jp