ソチ五輪選手団の団結式のニュースを見て、
2020年の東京五輪開催をイメージした方も多いだろう。
開催までの6年で東京がどう変わるのか、非常に楽しみだ。
2020年、今年4月に入社する2014卒の社員は入社6年目、
現在採用活動中の2015卒なら入社5年目となる年だ。
6年後というと少し先に感じるが、
新卒採用は1年後、2年後に入社する社員の採用活動だ。
今おこなっている採用活動が、東京オリンピック時に
20代半ばの若手活躍層となる社員の採用だと考えると、
その日はあっという間にやってくるのだろう。
昨年11月に有効求人倍率が6年ぶりに1倍を超え、
今朝は就職内定率の3年連続上昇というニュースが流れた。
アベノミクス効果による景気回復を肌で感じるようになり、
引き続きの復興需要によって、建築・建設関連業界では
既に中途採用マーケットでの採用難が始まっている。
今後しばらく、少なくとも2020年までは、
順を追うように各業界が求人需要のピークを迎える。
東京、東日本だけでなく、
日本全体の採用意欲が確実に高まると想定すると、
求人倍率が急上昇カーブを描きだすのは間違いない。
私は、今年2014年が、
人材採用マーケットがバブル期並の売り手市場と化す、
企業にとっての超採用難時代となる直前の、
ラストチャンスの年になると考えている。
その理由は、
まず、優秀層の学生数の減少だ。
大学生の質の低下が問題視されているが、
当然、優秀な学生がいなくなったわけではない。
いるにはいるが、絶対数が減っているのだと思う。
私は今年49歳になるが、この世代の18歳人口は172万人。
進学率が24%程度で、大学進学者数は42万人だった。
一方、今春大学を卒業する世代は120万人のうち、
50%以上の61万人が大学へ進学している。
時代ごとに企業が優秀とする人材、求める人材像は変化し、
学力も違うのだろうから単純比較はできないが、
世代人口が50万人減り、学生数は20万人増えているのだ。
近年になって日本人の学力が急上昇していない限り、
大学生に占める優秀層の割合が低下するのは当然だろう。
企業はその優秀層を取り合うことになる。
景気回復で有効求人倍率が上昇傾向にあり、
採りたい層の人数が減少しているのだとしたら、
新卒の獲得競争が激しくなることは、想像に難くない。
さらに、東京オリンピックに向けた景気の高揚と
業務急増に対応する若手活躍層をイメージするならば、
何業であれ、いま採用と育成に着手して早すぎることはない。
そして、経団連の指針により、
現大学2年生、2016年卒から採用時期が後ろ倒しになる。
しかし今、企業は必死に優秀な人材を獲得したい時だ。
実際の動きはその後ろ倒しの方針に逆行し、
インターンシップの早期実施が加速するだろう。
いわゆる‘青田買い’が復活する可能性だってある。
中小企業にとって、求人倍率の上昇は頭痛の種だ。
それでもできる限りの手を尽くして戦いを挑まなければ、
優秀な人材を確保することはできない。
来たる2016卒の採用戦線に備え、
この2015卒採用に全力で取り組むこと。
これが、2014年、私たち中小企業経営者に課せられた命題だ。
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