マイナビ:10,697社
リクナビ:9,237社
12月1日にグランドオープンを迎えた2015年卒の就職サイト。
掲載企業数でマイナビが王者リクナビを逆転した、
まさに歴史の1ページが塗り替えられた瞬間でした。
私どものように採用業界に身を置いていなければ、
大きな問題とは感じないできごとなのかもしれません。
しかしこれは、歴史的瞬間でした。
業界のガリバーであり続けたリクルート社を抜いたマイナビ社を
本当にすごいと感じた瞬間でした。
「追うものの強み」で、地道に大学との関係や企業とのパイプを
現場で強めてきたマイナビ社の努力が結実したのだと思います。
そして、肝心の就職サイト公開後のエントリー状況も、
私どもの確認できる新卒採用企業様のデータを見る限り、
現段階ではマイナビの方がリクナビよりも順調なようです。
しかし、今年度のスタートアップ時点での大きな特徴として、
企業情報をじっくり確認した後の「個別エントリー」よりも、
学生の指定した検索条件にヒットした企業への
「一括エントリー」が多いように見受けられます。
業界や職種、地域、規模など、様々な条件で企業を検索し、
そこで表示されるすべての企業に一括で、
つまり1つのページでまとめてエントリーできる仕組み、
それが一括エントリーです。
就職活動を始動したばかりの学生が、
とにかくエントリーして情報を追いかけているのかもしれません。
まだ就職活動の方向性が定まっていない学生がほとんどですから、
まずは幅広く企業にエントリーし、情報を集め、
その中から企業やイベントを選択しようという考えなのでしょう。
実際に、一度に複数社と会えるイベント「合同説明会」も、
12月1日を皮切りに各地で開催され、活況を呈しています。
中には混雑のため入場制限のかかるイベントまでありました。
今年の学生はどのように動くのか。
今年の企業はどのように動くのか。
どちらも動向を探りながらスタートした、2015年度採用です。
12月スタートの採用活動は、2015年度で最後。
経団連の意向により、2016年度からは3月になると言われます。
まだ志望度や方向性の固まっていない学生が、
12月から3月までの約4か月間で多くの企業と接し、
ある程度の方向性を固めた4月以降に入社を決意する。
その流れが、来年度は3か月後ろ倒しになる予定です。
学生動向として予想されるのは、
スタート時点で焦って多くの企業にエントリーするものの、
限られた接触期間にすべての企業に訪問することは不可能で、
これまでよりも狭い範囲で活動せざるを得なくなることです。
結果、もともと学生になじみの薄い中小企業は、
エントリー者はもちろん、実際に接触できる応募者の獲得にも
苦戦するという事象が起こるのではないでしょうか。
はじまったばかりの2015年度採用はもちろん、
2016年度採用ではさらに、
就職サイト公開前からの地道な活動が必要になるでしょう。
弊社カケハシでも、すでに2016年度を見据え、
多くの企業様のインターンシップ企画をお手伝いしました。
就職活動本格化前の夏から秋の時期のイベント開催は、
一度に多くの学生と会うことは難しくても、
まだまだ就活準備中の志向がオープンな時期だからこそ、
通常の採用活動では訪問してこないようなタイプや
レベルの学生と出会うことができると実感しました。
また12月1日の就職サイトの公開と同時に、
インターンシップ参加学生が早速その企業にエントリーしたり、
説明会に来場するなど、明確な効果も出ています。
マイナビが王者リクナビを逆転する結果を生んだのも、
長年の地道な努力あってこそ。
2016年度採用は、早い段階からの地道な企業努力で勝ちたい。
そう感じた2013年12月です。
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