政権が交代して約3か月。
アベノミクスと言われる経済政策の効果もあり、
少しずつですが景気のよい話が出てきています。
「景気というものは、所詮『気』だから。」
という話は、多くの経営者の方から伺っていたのですが、
今回ほどそれを実感することもなかったように思います。
少子高齢化による国内マーケットの冷え込み、
円高、競争力の低下などによる海外マーケットの弱体化から、
日本の先行きを不安視する話題ばかりがあった以前とは、
明らかに私自身の「気」の持ちようも違いますし、
世の中全体の「気」も変化してきているように感じます。
それを採用支援企業である私たちが一番実感するのは、
お客様の中途採用意欲です。
新卒採用ニーズは1年の中で一定の時期に集中するので、
単年度で景気の良し悪しを実感する指標にはなりづらいのですが、
年中動いている転職市場は、企業の「気」を実感しやすいのです。
実は、政権交代のずっと前から企業の中途採用ニーズは旺盛で、
転職マーケットの求人倍率は、
リーマンショック前の水準以上に高まっている状況です。
新卒採用コンサルティングサービスを軸にしている弊社にも、
中途採用のお問い合わせを頂く機会が非常に増えてきており、
企業の人材採用ニーズの高まりを実感せずにはいられません。
数多くお問い合わせを頂くのですが、中でも一番多いのは、
「すぐに●●職で●●名採用したい。何とかなりませんか?」
というお問い合わせです。
乱暴な言い方ですが、何とかなるもならないも、
それこそ企業様及び人事担当者様の「気」次第なのです。
なんとかしたいという気持ち、
なんとかするための計画作りが、採用成功のはじまりです。
中途採用計画は「5W3H」。
いつまでに、どの部署、どの職種で、
どのような人材を、誰が採用するのか。
なぜ採用するのか、なぜその部署でその人材なのか。
(When/Where/What/Who/Why)
そして、どのようにして、いくらで、何名採用するのか。
(How to/How much/How many)
を明確にすることがスタートです。
その上で、採用ターゲットを設定。
そのターゲット像から想像する転職ニーズ、
時代背景や転職市場の状況、自社の募集背景を加えた情報を
素材として採用コンセプトを設計し、
媒体なら原稿作成、紹介会社なら求人票作成へと進みます。
釣りで言うならば、いきなり大海原に出て、
汎用性の高い餌をつけて釣り糸を垂らすのではなく、
今日狙う魚を決め、そのために竿と糸と餌を選ぶ。
そこには魚群探知機まで持参し、
釣れる可能性の高いスポットに糸を垂らす。
その方が、獲得できる確率がぐっと高まるはずです。
中途採用でも、まずはターゲットを定めることです。
たくさんの応募を獲得することよりも、
狙ったターゲット人材の心を‘わしづかみ’にすることが大事で、
そのための戦略の必要性はますます重要になってきていると、
この激化しつつある転職マーケットと対峙して、感じています。
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