「康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかない」
ロンドンオリンピック水泳男子メドレーリレー、
銀メダル獲得後のインタビューで松田選手が話した言葉。
日本中が感動した言葉でした。

このロンドンオリンピックを観ていると、
団体戦での日本チームの活躍が目立っているように感じます。
チームワーク、自己犠牲の精神、
自分一人のためでなく、誰かのために発揮される力。
他国の状況は正直私にはわかりませんが、
日本が団体戦に強い理由がそこにあると言われることは、
同じ日本人として嬉しいことです。

松田選手の言葉は、本当に心から出た言葉なのだと思います。
他の選手からは「4人だけでなく日本チーム27人のメダルです」
というような言葉もありました。
水泳は個人競技であり、サッカーや野球とは違い、
チーム力を意識したり発揮しにくい競技だと思っていた私には、
水泳でもチーム力が大切な要素なのだと気づかされる言葉でした。

そしてあらためて、チームの一流の選手たちに
こうした言葉を言わせる北島選手の人間力もすごいんだろうな、
と感じました。
北島選手がもし自分の記録や成績を第一に考える主義であれば、
ライバルでもある周りの人からあの言葉は出てこないはずです。
自分を強くすることでチームを強くする精神を、
あらためて学ぶ機会となりました。

強いチームを作るためにも、
強い個を育てることは大切だと思います。
力がないのにかっこいいことばかり言っても、負け犬の遠吠え。
確たるスキルをつけるために、しっかりと自己研鑽すべきです。
自分を鍛えながら、決して自分一人の力ではなく、
多くの方の支えで自分が生かされていることを認識し、
いつも今ある環境に感謝したいところです。

強い個を育てるためには、導く仕組みやコーチも必要です。
多くの企業様が社員育成のために様々な研修をされているのも、
チームを強くするための仕組みのひとつ。
私も実際に研修を受けることがあり、
知識やスキルを学ぶ外部の研修で専門家のナレッジを活用する
重要性を実感します。
北島選手にとっての平井コーチの存在と役割を、
社員育成では様々な研修が担っているのだと思います。

そしてもう一つ。人間力と言うのでしょうか。
人としての考え方を学ぶ機会、身につける場も必要です。
社員育成におけるその場は外部の研修などではなく、
会社での日常生活や普段の仕事であり、
学ぶ意識、身につける意識を持つこと自体が場なのだと思います。
また、身近に人としての考え方を学ぶことを、有言でも無言でも、
実行している人の存在があれば、非常に理想的だと言えます。

組織の構成員が個としてできることを増やし、役割を全うし、
全員が例え0.1％でも周りのことを主体と考えるようになれば、
個の力は足し算ではなく掛け算となり、
チームとしての力として発揮されるのだと思います。

私自身もっとできることがあるんだと、
もっともっとスキルも心も磨いていきたいんだと、
あらためて反省し、決意を新たにしたオリンピック観戦でした。

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