2013年度新卒採用も、夏を迎えた今、
大手企業を中心に一段落した会社が多いようです。
私どもにも2014年度採用戦略のご依頼が増えており、
そのことを実感できます。
先日弊社東京オフィスにて、
「採用ツールの図書館」という展示イベントを開催いたしました。
期間限定ながら多くの経営者、採用担当の方々にご来場いただき、
様々な「求める人材像」にあわせて制作したツールをご紹介し、
受け手となる学生の気持ちを推測しながらご覧いただきました。
弊社が採用ツールの制作に携わり、既に20年以上。
景気変動や売り手市場と買い手市場の入れ替わり、
時代ごとの人気・不人気業種の変遷にあわせ、
毎年様々な業界、業種、職種用のツールを作成してまいりました。
私も15年以上、採用ツールをつくる側の立場で携わっていますが、
弊社内にある採用ツールをその採用課題や作成目的、
実際の効果を理解しながら熟読していくだけでも、
かなりの採用ノウハウ、成功パターンを会得することができると
感じています。
私が入社したての頃「なるほど!」と思った入社案内があります。
千葉県の西船橋駅から徒歩で向かうと40、50分かかるメーカーで、
ある特殊印刷技術を持たれているお客様のパンフレットでした。
パンフレットの表紙には
「タクシーで○○○(社名)と言ってくれ。」
というキャッチコピーがありました。
そのコピーとイラストで描かれた工場内の様子から、
何の根拠もないものの、
確かな技術力と温かい社風を感じ取りました。そして何より、
社名を言っただけで場所がわかるという知名度があるんだ、
と感じられる表現に、「うまい!」と感じたものでした。
実際読み込むと、その技術力で圧倒的シェアを獲得していること、
大手メーカーもその会社の技術を取り入れなければ
世界には太刀打ちできないことなどの説明があり、
貴重な存在であることが理解できました。
さらに地元の雇用も創出にも貢献しており、地域から愛される、
必要とされている企業であることもわかりました。
地元では愛されていても、学生間の知名度は低いメーカーで、
工場での現場職というあまり人気がない職種、さらには
交通の便が悪いことで、学生からの応募はほとんどなく、
ましてやターゲットとして求めていた機械系の理系学生の応募は
それまで皆無に等しいものでした。
しかし、打ち出しポイントやタイミングを変えることで、
対象学生との接点が増え、採用も成功しました。
業界シェアの高い地元に愛されている企業です。
という事実は同じであっても、
それを直接的に打ち出しては読者の心は動かされなかった。
イメージを喚起させる打ち出し方を取り入れることで心が動いた。
そのわかりやすい事例として、
ずいぶん前の事例ながら、とても印象に残っているお客様です。
もうひとつ、採用ツールでの打ち出しポイントを変えることで
採用に成功した印象深い事例として、
社員の年齢構成的に年配者が多い会社ながら、
その分野では超がつく優良企業様で、
「伝説のおじさんたちがいる会社」として打ち出し、
その歴史に裏付けされた会社としての安定感、
安定した財務基盤を元にした新規事業への取り組みを紹介し、
その企業ならではの成長性を感じてもらったツールがあります。
こちらも結果、意欲の高い人材の採用に成功しました。
一般的にはマイナスポイントに見える部分も、
その企業の強みであれば、プラスポイントに変えられる。
それを実感できた例です。
経営者や採用担当の皆様は、
同じ業界や知り合いの会社の取り組みを知る機会があると思います。
一方、他業界の事例に触れる機会は少ないのではないでしょうか。
事業内容を理解しやすい同業種の企業事例よりも、
学生に近い目線で触れることのできる他業種の事例の方が、
直感的に得られるヒントや新しい発見をしやすいものです。
現状の採用活動に満足せず、さらに優秀な人材を採用したい。
そのために、考えるヒントを探している。
他社のいい取り組みを研究し、自社に活用したい。
そうお考えの企業様に、新しい視点を提供したいと考えています。
たとえば、今の採用ツールを元に
ディスカッションしてみるのはいかがでしょう?
何かヒントが見つかるかもしれません。
コラムへのご感想・ご意見など、ぜひお聞かせください。
→letter@kakehashi-skysol.co.jp