内定通知を控え、新卒採用はいよいよ大詰めを迎えています。
2か月後ろ倒しになった影響がどこまでどのように出るのか、
未知数のまま進んだ約半年でした。
当初の想定通り、学生一人当たりの訪問社数は減少傾向にあり、
より絞り込んだ就職活動をしているようです。
4月に入り、大手企業の面接、選考も本格化してきました。
これまでの学生との接触で‘選考’をしてこなかった大手企業は、
畳み掛けるように接触回数を増やし、一気に口説き始めます。
一方中小企業は、年明けから会社説明会や選考を実施し、
学生との接点を持ち、徐々に信頼関係が醸成されてきた頃。
しかし、もちろん安心はできません。
学生に人気のある大手企業が一気に巻き返しを図るのです。
知名度や企業規模で圧倒的に学生の志望度が高い大手が動けば、
中小企業は順調に進んでいると思っていた学生でさえも、
選考や内定辞退の可能性が高まると考えておかねばなりません。
ここで私なりの辞退防止の公式をお伝えします。
1:面談内容×2:接触人員×3:接触頻度
1の面談・面接の内容は、情報収集と情報提供に分けられます。
学生の情報をいかに収集し、理解できるか。
短い面接時間だけで収集しきるのはなかなか難しく、
かといって履歴書や書類選考では本質的な情報収集も困難。
具体的な方法としては、面接以外に会う時間を設けて、
学生の就職相談や人生相談にのれるようになるとベストです。
ここでは「あえて自社を推薦しない」ことも大切です。
真剣にその学生の人生を考え、企業選択のサポートをする。
そういうスタンスがよいでしょう。
こちらから学生に提供する情報提供では、
当然、学生の求める情報だけでなく、収集した情報をもとに、
自社のどのような情報を提供すれば意欲が高まるかを考え、
そこにポイントを絞ってお伝えするようにしましょう。
2の接触人員は、各段階の面接官となる社員の選出よりも、
学生ひとりに対して担当の社員をつけ、選考期間中は
その社員が常にサポーターとして隣にいる状況を作ること。
学生の将来なりたい自分像に影響を与えられそうな社員を
サポーターとしてセッティングすると、非常に効果的です。
最後に3の接触頻度。
意外と見落としがちですが、何度会ったかより、いつ会ったか。
結局、最後に会った企業や人物の影響を受けやすいものです。
面接の重なるこの時期に他社との接触で少し変化した考えを、
再度会い、接触することでもう一度こちらに引き戻す。
そして時期を見計らって一気に自社への入社を決意させる。
そんなタイミングを考えた駆け引きも必要です。
ここまで対策、対応をしても候補者がいなくなってしまったら、
それは対応が至らなかったのではなく、
採用すべき人材と巡り合えていなかったということです。
選考方法や接触の仕方以前の
そもそもの出会い方に問題があるのかもしれません。
通常の採用で出会った中から運命の候補者を見つけられなければ、
別の出会い方を模索してみるのがおすすめです。
本当に100%偶然の出会いは計画できませんが、
これまでとは違う出会い方という意味での偶然性を求め、
その偶然がどこで生まれるかを考えてみるのも、
ひとつの採用活動の方法なのではないでしょうか。
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