中国での新卒採用企画につづき、
「ベトナム採用企画」の視察のため、首都ハノイに行ってきた。
パートナー企業のセッティングで、現地の大学のほか、
日系企業や、現地法人経営者にもインタビューすることができた。
ベトナムとはあまり縁のない方のために、簡単に紹介したい。
人口は約8,600万人。
国全体は熱帯モンスーン気候だが、南北に長いため、
北部と南部では気候が違う。ハノイの年間平均気温は20度弱で、
今の時期はジャケットが必要なくらい冷え込む。
中国、カンボジア、ラオスと国境を接しており、
国土は日本の約0.9倍の社会主義国家である。
公用語はベトナム語だが、
外国人を相手にするホテルなどでは英語が通じる。
ベトナム戦争の影響から国民の平均年齢は日本より17歳も若く、
人口の6割が30代以下。市内を歩いていても感じるほど若者が多く、
2020年には日本の人口を超えるという予測もあるらしい。
ASEAN諸国でも経済成長スピードと将来性から注目される国だ。
近年はその勢いが若干落ちているとはいうものの、
2011年のベトナムの経済成長率は6.5%前後あり、
日本の停滞感と比べると、街にも勢いを感じる。
ハノイは首都ということもあり、中国・北京の雰囲気がある。
観光地ホーチミンは上海っぽいとのことだ。
視察ではハノイ工科大学、ハノイ大学、ハノイ貿易大学の
3大学を訪ね、現地の大学生、先生と面談することができた。
ベトナムでは大学進学率が10ー15%程度なことで、
かつて日本がそうだったように、大卒者のエリート意識が強い。
ベトナムはその歴史的背景から、一般的に反米・反中感情が強く、
消去法で親日であると言われる。
私が視察で会った方々が特に日本贔屓であることを考慮しても、
彼らからは日本という国への尊敬と憧れを強く感じた。
中でも、私が現地の大学で出会い、面談した大学生たちは、
日本企業への就職志望度合いが強く、
就職するためにはどんな勉強をすれば有利になるのか、
日本企業はどんな人材が欲しいのかを熱心に質問してきた。
特に、日本企業の技術力を学びたいという欲求はとても強い。
就職部の先生も、日本や日系企業への就職を推奨してくれていた。
弊社カケハシは日本の中小企業を中心に採用を支援しているので、
企業規模に対する意識をベトナムの学生たちに聞いてみたところ、
彼ら曰く、ベトナム現地の大手企業より、
日本の中小企業への就職のほうが断然魅力的であり、
その企業規模は会社選びの条件としては関係ないとのことだ。
規模よりも、技術力やサービス力など、
身につけたい能力を学ぶ場として、冷静に企業を研究している。
同時期に中国とベトナム、双方の優秀層学生と話した私は、
両国の学生を比較し、このような違いを感じた。
ベトナム人学生は、
1.ほとんどの学生が日本へ渡航した経験がない
2.日本への憧れが、中国よりもさらに強い
3.就職の意味や条件をかなり長期で考えている
4.全体的に体が小柄
5.自己主張がそれほど強くなく、空気を読める
6.個人主義より組織志向
7.facebookも使うなど、情報がオープン
全体的に、中国人は大陸気質で欧米人に近い印象があり、
ベトナム人はソフトで日本人に近い気質があるように思う。
ベトナムでの人材採用には、
1.本当に優秀なエンジニアを採用できる
2.ベトナム進出を視野に入れた幹部候補を採用できる
などの顕在化しているメリットがあるため、
ベトナム採用と聞いてピンときた経営者も少なくないだろう。
今回の視察は首都ハノイでの採用企画の準備だったが、
加えてホーチミンでの採用企画も、
さらには採用企画以外でのベトナム視察ツアーも検討している。
グローバル化、アジアでの展開強化を検討されている企業に、
新たなベトナムとの出会いの機会を提供したいと思う。
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