例年10月1日に公開されていた翌年卒業の学生向けの就職サイト。
今年は12月1日公開になり、丸々2ヶ月後ろ倒しになりました。
この2ヶ月間、経営者の皆様、採用担当の皆様は
どう過ごされますでしょうか?
私もここ数ヶ月、様々な経営者様、採用担当様とお会いしました。
お会いしたどの方も、この2ヶ月間について、
後ろ倒しの影響について気にされている感じではありましたが、
意外にも具体的な対策を取られている会社様は非常に少なく、
「気にはしているけど何もしていない」という状況のようです。
ある経営者様からは、こんな不安の声をうかがいました。
「例年であれば10月からの3ヶ月間、色んな企業に訪問して、
ある程度自分を理解したり、業界を絞ったり、
逆に業界を変えたりしてきた学生の中から
いい学生と出会えてたが、その期間のない今年はどうなるのか。」
「自分をあまり理解せぬまま2月に入り、動機もままらなずに
中小企業をふらふらと訪れる学生が多くなるのではないか。」
確かに、こういった影響も出てくることと思います。
学生は企業との接触開始と同時にエンジンを全開にすることになり、
経験と情報を徐々に増やしながら考える時間を持てないことが、
少なからず志望条件の絞込みや就職観の形成に影響するでしょう。
学生にとってはこれが初めての就職活動ですが、
企業は比較できる昨年までの採用活動経験があります。
だからこそ、例年との時間差を埋める対策が必要なのです。
大手有名企業様であれば大きな問題はないかもしれませんが、
中小企業はしっかりと対策を取っておかなければなりません。
対策を考えるべきは、大きく分けて以下の3つです。
1.集客:いかに集めるか。いかに求める人材に来てもらえるか。
2.惹きつけ:集めた人材にいかにして入社意欲を芽生えさせるか。
3.口説き:芽生えた意欲を強固にし、いかに入社を決意させるか。
この3要素それぞれについて、
余裕のあるこの時期に具体的な準備をはじめましょう。
1.集客については言うまでもありません。
就職サイトへの情報掲載は当然のこととして、
求める人材が自社を訪問したくなるような「仕掛け」を
幾通りも並行できるように用意しておいた方がいいでしょう。
当たり外れもあるでしょうし、今年は短期決戦ですから、
1つの仕掛けを試して、次に2つめの仕掛けを…と
時間差でトライしている猶予がないのです。
特に、就職サイトだけに頼った集客、採用広報に
限界を感じられている企業様も多くなっています。
サイトを軸としつつ、別の集客手立ても必須といえるでしょう。
2.惹きつけと3.口説きについては、地続きになっています。
求める人材の心理状況をイメージしながら、
入社を決意するまでのストーリーを、まずは描きましょう。
そのストーリーに応じて、より意欲を醸成するための仕掛け、
応対する人員、サポートツールを用意します。
採用活動を、自社製品を販売するための営業と捉えれば
必要となる具体的な対策の意味がわかりやすいと思います。
会社説明会は新製品発表会。
面接や筆記試験は商談。
内定通知は契約。
内定者フォローは顧客フォロー。
新製品発表会では、その内容や演出だけでなく、
まずはいかにターゲットとなる人が参加したくなるか、
集客のための戦略を立てると思います。
商談も、実際に商品を体験していただいたり、
体験しづらい商品であれば映像やパンフレットなどのツールで、
購買意欲を高め、購買決定を後押しする施策を準備します。
はたまた企業そのものに不安を感じられないために、
最低限、会社案内やホームページを揃えられているはず。
もちろん商品を説明する社員への教育やトレーニングも実施し、
ご契約後のフォローで安心・満足していただくことで、
製品のリピーター、ヘビーユーザーとなる導線も整えます。
各段階の施策が1つだけあればいいわけではなく、
複数の仕掛けが並行することで効果が生まれるのも、
営業活動と採用活動の似ているところです。
採用活動を営業活動と捉え、いかにターゲットと出会うか。
いかに自社の魅力を伝えるか。各段階の対策を練る。
今の時期にこの準備を怠らなければ、
周囲の環境に影響されない採用活動が
実現できるのではないでしょうか。
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