『人が先か仕事が先か』という命題に悩む経営者は多い。
仕事を増やそうと思ったら仕事を受けれるスタッフが必要だが、
人を雇えるほど仕事が継続するかどうかが見えないので、
人を雇うよりも仕事を増やすのが先だ。
だが、仕事を増やすにはやはり人が必要で…
これは、小さな会社が成長する過程で必ずぶつかる壁である。
正解は会社の業種と規模、ビジネスモデルによって違うが、
当社はまだ設立4ヶ月ながら、先に人を採ることに決めた。
そしていま、自社採用に苦戦している。
知名度がない。歴史がない。財務体質が弱い。
オフィスの立地も、駅から遠い。
新会社になったとはいうものの、
ワイキューブから事業と社員を継承したにもかかわらず、
これほどまで採用力に差があるのだという事実に、正直驚いた。
特に中途採用は厳しい。
応募数は半分以下になり、
弊社の事業や価値観に合う確率が極めて低いという意味で、
応募者の質も高いとは言えない。
しかしながら、採用出来ないと嘆いている時間はない。
一時期と比べると、採用広告の媒体費用は格段に下がった。
世の中の景気は良いとは言えず、
雇用環境は統計数字で見る限り求人側に有利な買い手市場だ。
だが正直、統計数字はどうでもいい。
関心はいつも、自分の会社にいい人材が来るのかどうかだ。
本来、採用力は企業力に比例する。
そして企業力を短期間で上げることは不可能である。
短期的であっても出来るのは、採用広報での工夫しかない。
まずは告知媒体に予算を掛けること。
そして、たとえ母集団が減ろうとも求人ターゲットを絞り、
ターゲットとなる求職者が響くであろうポイントを、
的確に求人広告に反映させること。これがもっとも効率的だ。
採用にはお金と時間がかかる。
企業力も採用力も高い会社が時間とお金をかけるのだから、
どちらも微力な会社が資源を割かずには成し得ない。
ただし、ここで考えるべきお金とは、
採用活動そのものにかかる経費ではなく、
結果的に採用し、社員となってからの人件費である。
自社にとっていい人材とそうでない人材、
どちらを採ってもかかる採用経費は変わらないが、
人件費の意味は大きく違ってくる。
利益を生み出す投資となるか、ただの経費増となるか、
その意味を決定づけるのは採用する人材の質なのだ。
いかにいい人材をたくさん採用できるかで、
企業の成長度合いやスピードが決定する。
ならば、採用戦線で不利な状況にあったとしても、
採用市場で戦わないという選択肢はありえないのだ。
考えるべきはそれでも採用する方法を見つけることであって、
採用できない理由ではない。
それでも採用する方法とは何か。
そのプランを立案するのが我々の生業である。
灯台下暗しにならないよう、弊社にとってのその方法を、
社員のアイディアと企画の総力をあげて生み出したい。
どのような採用戦略を立て、採用活動を展開するか。
このトライ&エラーについても、後日報告したいと思う。
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