2024/5/8 vol.309 KAKEHASHI SKY NEWSは、第二・第四水曜日配信 “売り手市場下における採用成功に向けた取り組み” クライアントサクセス部 事業部長 岡部謙太 コロナ禍が明けて、超売り手市場が戻ってきました。マイナビ社が発表した3月末時点での25卒の内々定率は47.4%(24卒では同時期30.0%)。就職活動を終了すると回答した学生は全体の21.9%(24卒では同時期9.0%)にも達しています。
(参考:マイナビ「2025年卒大学生活動実態調査」) 24卒と25卒のエントリーデータの比較資料では、昨対89%と一見大きな影響がないように見えます。しかし、早期から動きだして広報期間を大きく延長した企業、広報量を大きく増やした企業を含めての全社平均の数値ですので、昨年と同じ時期から同じ予算で活動を実施した企業の落ち込みはさらに大きくなっています。実際3月から動き出した企業の3月単独の説明会参加数で見ると、合同企業説明会やスカウトを使って積極的に集客をおこなっているにも関わらず、昨対40%以下というケースも珍しくありません。 集まらないので広告量を増やす。しかし各社の人手不足感から求人広告はあふれ、広告量が劇的な集客改善にはつながらない。ひいては採用人数の充足が難しくなる。この負のサイクルからの脱却が求められています。 そんな中、ONE CAREER(ワンキャリア)という媒体とそれを上手に活用する企業の取り組みが面白いのでご紹介します。 ONE CAREERを知らない方向けに簡単に説明すると、就職活動版の食べログと言えます。それぞれの学生が選考を受けた企業について、どんな採用プロセスなのか、各フェーズでどんなことを聞かれたのかなど、実体験をフリー記述で回答したり、点数評価した情報がストックされている媒体です。就活生の実に60%以上(23卒時点)が、企業探しや応募した企業の選考対策のために情報を拾いに来ています。一足先に飲食業界では、氾濫する情報の中から自分のニーズに合ったお店を見つけるために口コミが重視されるようになり、それまでの広告型のHOT PEPPERやぐるなびから、口コミ型の食べログにユーザー利用が移行し、お店選びに大きな影響を与えています。まさに同じ流れで、就活版食べログのONE CAREERも今後ますます学生の企業選択への影響を強めていくと考えられ、大変面白い存在です。 実際に「口コミ数の多さ」「口コミ点数の高さ」はどちらもエントリー数と相関関係があることもわかっています。この媒体をうまく使っているとある中小企業様は、説明会や選考のアンケートフォームとして、ONE CAREERの口コミ投稿用のフォームを利用しています。そうすることで複数年かけて大手企業に引けをとらない数の口コミ数をストックしています。また、書いてもらった口コミの内容から学生ニーズ・改善点を把握して、インターンシップコンテンツやプレゼン、各フェーズのオペレーション、リクルーターの人選やトレーニングにも反映しています。それだけに留まらず、もともと入社後の本配属決定通知だったものを、最終選考時に通達できるように会社の体制自体も変更。それらのPDCAを繰り返すことで口コミ評価を高め、学生接触とその後の歩留まり向上につなげています。 今回は一例としてONE CAREERを軸とした取り組みをご紹介しましたが、ONE CAREERが大事ということをお伝えしたいわけではありません。お伝えしたかったのは、求職者から選ばれるためにどこまで踏み込んで会社の変革を進められるかということです。採用のネックになる自社の慣習を是正する。求職者にとって魅力的な制度を新たに作る。業務の棚卸しをおこない、不要な業務をなくしたり、やり方をかえることで職種の採用難易度を下げる。入社後の育成を強化することで、入社時の採用ハードル下げるなど。選ばれるためにできることはたくさんあると思います。逆に言うと、ここまで踏み込まないと自社採用の現状を変えられなくなってきています。 本気の採用力強化の取り組みを、ぜひ今年の重点テーマに追加してみてください。 また、本コラムで取り上げたONE CAREERは、現在25卒採用実施中の企業様必見のキャンペーンを実施しています。少しでも興味があれば詳細をご案内しますので、まずはお気軽にお問い合わせください。 Pick up Seminar Articles |