2024/1/24 vol.302 KAKEHASHI SKY NEWSは、第二・第四水曜日配信 “タテ・ヨコ+ナナメ、で新入社員の成長を加速させる” 教育研修部 マネジャー 松浦仁美 吉野源三郎原作の「君たちはどう生きるか」
昨年、宮崎駿監督作品として映画化され話題にもなりましたが、 遅ればせながら、年末年始の休暇中にこの漫画版を読みました。 小学生の主人公が学校での出来事を通して、 クラスメイトや友人から、時にはいじめっ子の上級生から、そして母親や叔父から、 様々なことを学び成長をしていくというストーリーは、 自身の生き方を再度考えさせられると共に、 教育という面でも非常に興味深い1冊であると感じました。 ここでのポイントは主人公と叔父の関係です。 親や学校の先生といったタテの関係性でも、学校の友人などヨコのつながりでもない。 利害関係のない、言わばナナメの関係である叔父からの教えが 主人公にとって大きな刺激となります。 社会人で言うと、上司や先輩がタテの関係、同僚や同期がヨコの関係、他部署の上司や先輩、社外の人がナナメの関係に当たります。新入社員に対して、どの関係性からどのように関わると育成に効果的なのか。24卒の内定者から取ったアンケートを見ながら考えてみましょう。 ▼これから仕事をおこなう上での価値観を教えてください。 ※参考:カケハシ スカイソリューションズ即戦力研修受講者(2023-2024年内定者時期)計82名へのアンケート調査より 23卒と比較すると24卒は「プライベートの優先」「フレックスタイムの活用」「ゆくゆくは副業をしたい」など、多種多様な価値観を持っていることが分かります。会社の制度をうまく活用して自分なりの仕事スタイルを確立するためには、やるべき仕事に向き合い、できることを増やす必要がありますが、仕事をこなせる能力がつかないうちにフレキシブルな働き方を望んでしまうなど、理想と現実のギャップに悩んだり、壁にぶつかりやすい世代とも言えるでしょう。まずは仕事ができるようになりたいと考えていた世代と違い、ギャップが大きいほど離職につながるリスクも高まるため、こういった傾向も踏まえたフォローアップが必要になるのです。 その際、うまく取り入れたいのが「ナナメ」のコミュニケーションです。 特に、「職場の先輩や同僚など仕事の関係者と個人的な交流を積極的にしたい」と考えている内定者も多くいることから、ナナメのコミュニケーションを通じた、業務指導ではない形での経験談や価値観の共有は、24卒の新入社員には響く可能性が高いと考えます。多種多様な価値観を持つ世代だからこそ、タテとヨコの関わりだけでない、ナナメのコミュニケーションを取り入れて、視野を広げてあげることが若手の戦力化・定着において重要になります。 また、自社の社員だけでなく、「社外」というナナメの関係性をうまく活用するのもおすすめです。なぜなら、社外だからこそ説得力をもって伝えることのできる指導もあるからです。例えば、弊社で10年に渡り階層別研修をサポートさせていただいているお客様から先日、「若手社員にはあえて厳しく指導する研修を実施してほしい」とご要望を頂きました。特に社会人として必要な考え方やスキルに関しては、多くの企業と接している外部だからこそ伝えられることがあるし、受け手の納得度も違うから、との理由です。そのお客様では若手が定着し、管理職に昇格する社員も出てきています。 新入社員研修においても、ビジネスマナーや報連相などのポータブルスキルこそ、社外に任せることをおすすめします。 その理由は、 ・適度な緊張感の中で臨めるため、聞く姿勢に入りやすくより学びの多い時間にできる ・自社の社員同士では言いづらいことも、第三者だからこそ厳しく指導ができる ・社外で学んだことと同じことを社内で指導されることにより、学びが深まる といったような効果が見込めるからです。 弊社の新入社員研修サービスは、様々なアクティビティを通じて行動変容を促すプログラムとなっています。実際の業務に即したシミュレーションやチームビルディングなどを通じて、新入社員が実践的なスキルや自己成長のための力を身につけられると毎年ご好評をいただいております。今年も満席の日程も出てくるほど。新入社員の即戦力化を期待するなら、この機会にぜひご検討下さい。
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