2024年度新卒採用の内定者が出始め、次は受け入れに向けた準備だ、とお考えの企業様も多いのではないでしょうか。受け入れにあたって、昨今企業側の悩みとして多いのが「ハラスメント」問題です。
「ハラスメント」という言葉が広く認知され、パワハラ、セクハラに限らず多様な「〇〇ハラ」が生まれています。
私は最近「仕事は楽しいものと思うことを強制すること=エンハラ(エンジョイハラスメント)」と呼ばれるハラスメントがあることを知り驚きました。
2022年4月のハラスメント防止法施行により中小企業においてもパワハラ防止措置が義務化されたことから、企業側は益々対策を迫られていることと思います。実際、どのような対策をしていけばハラスメントは防止できるのでしょうか。ハラスメントとの向き合い方についてポイントをお伝えしていきます。
1.ハラスメントに関する正しい知識と、自社に置き換えた場合のイメージを持つ
ハラスメント防止を進めるうえで、各社はどのような課題感を持っているのでしょうか。
こんなデータがあります。
※出典 『職場のハラスメントに関する実態調査』厚生労働省(令和3年4月30日)
最も多い課題として、「ハラスメントかどうかの判断が難しい」という結果が出ています。
ここには大きく2つの理由があることが考えられます。
|
そもそもハラスメントに関する正しい知識を持っていない ハラスメントの種類ごとに、「ハラスメントに該当するか否か」の基準が定められています。 この基準を理解していない方は意外と多いです。特に若手世代は正しい知識を持ち合わせておらず、安易に「ハラスメント」という言葉を使っていることがほとんどです。まずは互いがハラスメントに関する正しい知識を身に着けることが第一歩でしょう。 |
|
|
知識があるうえで、自社(自身の仕事)に置き換えた時に何がハラスメントに該当してしまうのかイメージができない 世の中の基準は分かったとしても、「自分の仕事においてどのような言動がハラスメントになるのか」が明確になっていないケースも多いです。そのため、ただ正しい知識をインプットするだけではなく、「自社であればどのようなケースがハラスメントに該当してしまうのか?」「どこまでが指導でどこまでがハラスメントか」を社員同士でディスカッションすることが効果的です。言動レベルでイメージを持つことで、日々の行動変容につながります。 |
|
2.部下・後輩とのコミュニケーション頻度を意識する
もう1つ、こんなデータがあります。
これは、「パワハラを受けた」と回答した人が「受けていない」と回答した人よりも
上司部下のコミュニケーションが圧倒的に少ないことを示しています。
ハラスメント対策の一つで効果的なのは「ハラスメントだ」と部下から言われないだけの関係性を築くことです。業務上の関わりだけではなく、日々のコミュニケーション量を増やすことがベストですが、スモールステップとして効果的なのは「挨拶」「感謝」「称賛」です。これを伝えるだけでも、部下は上司に対する安心感、信頼感を持つことができます。
3.部下・後輩の個々の価値観を知る
「〇〇ハラ」という言葉の流行背景には、多様化が考えられます。
高度経済成長期の強制労働型ではなく、権利や自由な選択が認められやすい今、若手世代の働き方の価値観も多様化しています。そのため、指導をされてしまうと「自分が認められていない」「この職場には合わない」と負の感情が生まれ、指導側では良かれと思っておこなった指導でも、結果「〇〇ハラ」へとつながってしまいます。もちろん、然るべき時には指導が必要なため、指導者側は全てに迎合しなければいけないというわけではありません。
ただ、「この子はどのような時に負の感情が生まれるのか?」を正しく把握しておくことは重要です。個々の価値観に応じて柔軟な関わりをしていくことが、深い信頼関係構築へとつながります。
いかがでしたでしょうか。
ハラスメント対策は正しい知識を持つことは大前提ですが、日々の関わり方、上司部下の関係構築も重要なファクターとなってきます。
新入社員が長く活躍できる受け入れ体制として、今一度ハラスメントや職場コミュニケーションについて見つめ直してみてはいかがでしょうか。
ハラスメントに関するコンテンツを織り交ぜての研修実施も可能です。ぜひご相談ください。