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さて、昨年末の大ニュースと言えばサッカーワールドカップ（以下、W杯）でした。ブラボーだったW杯について、人材業の経営者の視点から考察してみたいと思います。

私は普段、Ｊリーグの試合さえ観ることのないにわかサッカーファンですが、4年に一度のW杯だけは楽しみにしていて、夜中でも眠い目を擦りながら日本代表の戦いを応援しています。

2022W杯で第一に感じたのは、テクノロジーの進化とその導入によるルール改定です。前回大会から導入されているVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)に加えて、今大会では、慣性計測装置センサーが埋め込まれた公式球「アル・リフラ」から送信されるデータと、12台のビデオカメラによるトラッキングデータを組み合わせ、人工知能を応用して自動的にオフサイドの警告が表示され、主審のジャッジに利用される仕組みが登場しました。

スペイン戦での三笘選手の1mmのように、ワンプレイが勝敗を分ける試合の中、ゴール前でのオフサイドやペナルティの判定にテクノロジーが活用されることで、W杯中いくつものゴールが取り消され、判定が覆りました。データジャッジの時代となり、戦術にも影響が出ているように感じます。サポーターも、絶対的に公平なジャッジがなされる安心感から、審判に絶大な信頼を持ち、運ではない選手の実力、繊細なプロの技を堪能し、全力で観戦することができました。

W杯でもう一つ印象的だったのは、何と言っても日本代表選手の強さでした。
強豪ドイツ、スペインと同じグループBから1位で予選を突破できるとは、誰も予想しなかったでしょう。国際サッカー連盟FIFAによる大会総括で「FIFAカタールW杯で注目を集めた4カ国」にも選ばれ、日本が世界から注目されるチームになったのは嬉しい限りです。

今大会で日本は、前半でリードされた試合を2度も続けて勝利しました。この実績はW杯史上3カ国目、1970年の西ドイツ以来だったそうです。W杯レベルの試合で逆転勝利する難しさは想像に難くなく、日本の戦いぶりはまさに絶賛されて然るべきものでした。

なぜ、日本代表がこんなにも強くなったのか。

一つは森保監督という指導者の戦略と戦術だと思います。その凄さの詳細を私は解説できませんが、最善の準備と冷静な判断、そして決断力が、世界で戦える監督になった理由だろうと思います。 ? ? ? ? ??

二つめは、個々の選手の精神的な強さと個人技の高さでしょう。代表チームの大半が海外在籍組で構成されていて、対戦相手のスター選手と日常的にプレーしたり、チームメイトとして交流したりしていて、精神的にも身体的にも負けていないように感じました。森保監督の戦術も、選手達のピッチ上での対応力、臨機応変さによって花開いたのだと思います。

また、レギュラーと控えではなく、対戦国や戦術に合わせた先発と交代の役割分担が実現できたのも、個人技に優れた選手だけで構成された選手層の厚さがあったからこそ。試合中の選手交代がメッセージとなり、その度にチームがリフレッシュして、新たな戦術が実行されていく試合運び、ワクワクして目が離せませんでした。

今大会は、日本代表が強くなる歴史を積み重ね、将来日本が強豪国と言われることへの期待を持てた大会でした。

日本代表チームの強さの理由、そして見えてきた未来像は、会社組織にも通じることです。
次世代を常に採用し、育成して、成長し続ける組織であること。柔軟に変化しながら、テクノロジーを取り入れ、マーケットに対応していくこと。それによって生まれる人材の層の厚さが、永く成長を続けられる企業のあり方なのだと思います。

人材業界でもHRテックの発展は目覚ましく、次々と新商品、新サービスが生まれています。いち早く活用し、採用戦略・組織運営に活かしながら、その発展を牽引するサービス提供者となれるよう、今年もチャレンジしていきたいと思います。