2024年度新卒採用活動もいよいよ秋・冬インターンシップ期間に突入しました。みなさまの採用活動の進捗はいかがでしょうか？私たちの元に寄せられるご相談では、「インターンシップに予約が入らない」という内容が9月ごろから大幅に増えてきています。

このようなご相談が増えている要因として考えられる理由は2つです。

１．インターン掲載社数・受付コース数の増加
マイナビでは、2023年度採用比で、掲載社数126％増、受付コース数127％増と、企業の採用意欲が大変旺盛になっていることがわかります。

２．学生の活動量減少
企業の活動意欲とは逆に、学生の活動量は売り手市場もあってか、2023年卒比95％と、鈍い動きとなっています。

これら2つの動きの変化の結果として、インターンシップへの1社あたりのエントリー数が2023年度比で平均79％と大きく落ち込むことへとつながっているのです。

しかしながら、コンサルティングの現場で感じる違和感、学生との対話やアンケートなどを踏まえると、もっと大きな変化が起こっていると私たちは考えています。その変化のキーワードが「コロナネイティブ世代の登場」です。

2024年卒学生は入学時からコロナの影響を受け、大学の授業もオンライン、アルバイトやボランティアなどの活動にも参加できなかったため、先輩、友人、後輩とのつながりが少なく、希薄という世代の特徴があります。そのため、これまで先輩から口伝で伝承されてきた就活情報やノウハウが断絶している側面があり、一方でSNSをはじめとして情報収集のツールは様々に発達し、企業からの情報発信量も増えています。その両面の影響から2024年度就活生はネットで情報を収集し、取捨選択をおこないながら自分なりに行動している。結果、「就活生はこの時期こういう動きをするよね」という企業側の経験則と、学生の実際の動きの乖離が大きくなっているように思います。

起こっている具体的事象としては、「就活早期組と後発組の二極化」と、先述の「行動量の減少」です。早くから活動をおこなう層は、それこそ大学２年次から情報収集をはじめ、３年次にインターンシップに参加した数社の中から内定承諾先を決めてしまおうとするケースも少なくありません。これから動き出そうとする後発組は、今の時期何に取り組んだらいいのかを模索しているため、活動のベクトルが定まらず企業との接触数が伸びてきていません。そしてどちらの層にも共通しているのが、先輩や企業の採用関係者との対話量が少ないために、就職に対する思考が磨かれていないことです。

さて、企業として2024年度採用でここからどのような対策をとっていくべきでしょうか。エントリー数やイベント予約数の減少に対して集客施策にとかく意識が向きがちですが（もちろん取り組んだ方がよいでしょう）、接触する学生が未熟だからこそ、接触した学生の視野を広げる、思考を深める、視座を高めるための関わりが、興味喚起の上でも、内定承諾に導く上でも、入社後のミスマッチを最小化する上でも欠かせません。つまり、リクルーターや面接官の役割の再設定とスキル強化が採用成功において例年以上に重要になってきます。また人とのつながりが希薄な世代だからこそ、採用活動に携わる社員を通じた惹きつけは大きな武器となるはずです。

最後になりますが、コロナによる断絶によって、これまでと2024年度採用以降では就活の流れが変わってくることは間違いありません。変化に対応した新しい採用戦略を私たちと一緒に考えていきましょう。