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2022/8/24 vol.268

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★今回のTOPICS★
■コラム「コロナは女性活躍推進の契機となり得るのか?」
(ヒューマンリレーション部マネジャー 山田 花梨)
■おすすめセミナー「今、管理職に求められるスキルと育成のポイントセミナー

“コロナは女性活躍推進の契機となり得るのか?”

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ヒューマンリレーション部マネジャー 山田 花梨


コロナ禍において、テレワークなど時間・場所の制約を受けない働き方が急速に広がりました。

これは、家事・育児との両立を希望する女性が多い現代においては非常にメリットの大きい制度と言えるでしょう。そう考えると、働き方の広がりを見せるコロナ禍は女性活躍が推進される契機だと感じる方もいるのではないでしょうか。今回は「コロナは女性活躍推進の契機となり得るのか?」をテーマにお伝えしていきたいと思います。

まず世の中の動きとして、「2020年までに女性管理職の割合を30%程度に引き上げていく」という政府目標は、「20年代の可能な限り早期までに」という目標に先送りされたことは皆様ご存知のことと思います。その後ウィズコロナと呼ばれる時代を迎え、女性管理職の比率には、どのような変化があったでしょうか。

帝国データバンクが実施した2021年女性登用に関する調査結果によると、女性の管理職比率は平均8.9%と、2014年以降で最高となりました。ちなみに2019年は7.7%、2020年が7.8%と微増傾向に留まっていることを考えると、テレワークの浸透は影響があったとも言えますが、物足りなさは否めません。
では、女性活躍推進を妨げている要因とはいったい何なのでしょうか。

もう一つ、こんなデータがあります。

(Adecco Group Japan女性管理職に対する意識調査2018年・2021年の比較データ)

これを見ると、管理職の仕事内容そのものにネガティブな印象を抱いている方が多いことが分かります。これらは決して女性だけではなく、男性にもあてはまる感情なのではないかと思います。男女で唯一異なるのは、ロールモデルの少なさと言えるでしょう。

「女性管理職がいない」「いたとしても、元々バリバリ働きたいタイプの人だから自分とは考え方が違う」などの理由で、管理職という道を断ち切ってしまうケースは非常に多いのです。

では、このような女性達に少しでも前向きに昇進を捉えてもらうにはどのようなことができるでしょうか。
私はこれまで多くの企業様と「女性活躍」に関わる研修でご一緒してきましたが、もし自分が管理職になったらどうしたいか?」という“もしも”の未来を想像させることは人材開発のうえで有効な手段です。上述したように女性はロールモデルが少ないため、「管理職」という役割を多角的な視点から見る前に「自分には関係の無いもの」としてシャットダウンしてしまう傾向にあります。
そこで、「もし管理職になったら、どんな職場にしたいか?」「どんな存在になりたいか?」など、自身の考えを巡らせることによって、仕事に対するポリシーや大事にしたい価値観などポジティブな感情を引き出していくのです。
“もしも”を想像させるうえでポイントになってくるのは3つです。

1.どうすべきかではなく、自分はどうしたいのか、「I(アイ)メッセージ」でアウトプットさせる

「●●すべき」という義務感をベースにアウトプットさせてしまうと、どうしても視野が狭くなり息苦しい未来像になってしまいます。ここでは、従来のやり方や固定概念を取っ払い、自分だったらどうしたいのかという「I(アイ)メッセージ」でアウトプットさせることで、より前向きで自由な感情を引き出します。

2.“もしも”の姿を歓迎・称賛する

描いた未来像に対し、「それは無理だよ」と否定してしまっては、その方は二度と管理職を志すことは無いでしょう。大切なのは、それを受けた上司が本人の意志を受容し、実現できる未来を共に考えること。従来の管理職像ではなく、その人らしい新たな管理職像を積極的に歓迎することで、本人の意欲や自信につながります。
希望に沿った環境づくりやキャリアプランの形成は、“言うは易く行うは難し”の領域だと思いますので、当然組織ぐるみの改革が必要ではありますが、まずは目の前の上司が歓迎し受け入れるという姿勢が肝要です。

3.同じ境遇の女性社員同士で意見をシェアする

以前、クライアントと一緒に女性キャリアデザインワークショップを実施いたしました。「管理職の一歩手前」という女性社員が集まり、今後の“もしも”のキャリアを話し合っていただくと共に、実際管理職に上がった女性社員の等身大の姿ややりがいを聴く、という会でした。
そこではこんな感想がよく聞かれました。
「同じように悩んでいる人がたくさんいると知れて安心した」
「現管理職の話を聴いて、管理職だからとそこまで肩肘張らなくても良いんだと思えた」
上長との面談ももちろん効果的ですが、同じ境遇の女性同士だからこそ分かり合える悩みやアドバイスは多分にあるはずです。

いかがでしたでしょうか。
コロナ禍の働き方の多様化は、女性活躍推進のあくまで後押しでしかありませんが、追い風とも言えます。
これを契機に、女性が新たなキャリアをデザインできるような“もしも”を考える機会をつくってみてはいかがでしょうか。




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