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2019/11/13 vol.201

 

BUSINESS COLUMN

“中小企業が今すぐ取り組むべき
デジタルトランスフォーメーション”

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冒頭でいきなりデジタルトランスフォーメーション(以下DX)という流行りのバズワードを使ってしまいましたが、簡単に言うと

DXとは、IT活用(デジタル)で会社や業務に変革(トランスフォーメーション)をもたらす

という概念です。こう表現すると、
すでに「やっているよ」「IT活用なんて当たり前じゃないか」と皆さんはお考えかもしれません。

では、この“変革”という言葉をもう少し掘り下げてみましょう。

・勤怠管理システムを導入して、社員のタイムカードをデジタル化した
・営業支援システムにより、営業日報を手書きからデジタル入力にした

このような例は果たして変革と言えるでしょうか。
多少の変化はあるにしても、実際の利用者側からすると、機械や紙でやっていたことをパソコンやスマホでやることになっただけという微小な変化に過ぎません。 社員の工数を劇的に軽減し生産性に寄与したり、大幅に売上拡大を実現したりという大きな変化=変革はシステムを導入しただけでは実現できないのです。

大手企業でDXに成功している企業はわずかという状況を鑑みると、中小企業にはまだ早いんじゃないかと諦めてしまうのも無理はありません。 しかし、中小企業だからこそアイデアとスピードという優位性を武器に、できる限り早く取り組むことが大事だと私は考えます。

では、どのように取り組み始めたらいいのでしょうか?前提となる考え方とポイントを踏まえてご紹介いたします。

【前提】
・デジタル活用はあくまで手段であり、会社や業務の変革が目的である
・最新技術(AI,VR,AR,IoT,etc.)の導入ありきで考えてはいけない
・DX案件にはリスクや失敗がつきもの

失敗例としてありがちなのが、既存システム/パッケージを導入すればいい、最新技術を使えば何とかしてくれるだろうという考え方です。本来の目的である“変革”を見据えた段階的な施策であれば問題ありませんが、単発の課題に対する処置策としてシステムを導入していては、変革は生まれません。

また、分析も仮説もなく、ましてや計画すらなく、とりあえず最新技術を導入するのが目的になってしまうケースもよくあります。当たり前ですが、AIによっていきなり新たな業務プロセスや新規事業が生まれるはずはないのです。

■ポイント① 経営層の全面的なコミットメントが必要

会社に大きな変革をもたらすプロジェクトとして位置づけるためには、経営層のコミットメントが必要です。アイデアやプロジェクトの計画はボトムアップで出てくるのが理想ですので必ずしも経営者がリードする必要はありません。

しかし、トップとして計画、実行、検証のそれぞれのフェーズで全面的に支援すること、定期的なレビューを実施することが不可欠です。そのまま継続するのか、アプローチを変えるのか、方向転換するのか・・・舵を切るのは経営層にしかできません。

余談ですが、これはDXプロジェクトに限らず、会社にとって重要な施策全て、例えば人材採用にも言えることです。

■ポイント② チームづくり、特に外部のリソースをうまく取り込めるか

一般的なシステム構築プロジェクト以上にDXプロジェクトには様々な人材が必要です。企画部門、事業部門、マーケティング、情報システム(システム開発、運用サポート)等々。中小企業ではこれら全ての人材を保持するのは難しいのではないでしょうか。やはり、外部のリソースに頼らざるを得ません。ただし、可能であればマーケティング等のコアな人材は中途採用や新卒社員の抜擢など、社内に確保することをお勧めします。

また、中小企業にとっては「情シス部門なんて作れない」と思われるかもしれません。さすがに内製化するための開発エンジニアまで抱えるのは難しいですが、情シスのトップと運用メンバーの小規模チームであれば、外部のコンサルやSIerに依頼するコストと比較しても、社内に抱えるほうが有益だと考えます。エンジニア売手市場の中でそのような人材が採用できるかどうか・・・という問題は外部の採用コンサルをうまく活用すれば乗り越えられます。

■ポイント③ 大きな構想は必ずつくる。だけどスモールスタート。

目的は「変革」であるということを念頭に構想(グランドデザイン)は必ずつくってください。社内の業務フローを変革するのか、新規事業を創り上げるのか。方向性が変われば、その先に考えるべきことやプロセスは大きく変わります。

一方で、大きな構想に対して、一気に全て作り上げてしまわないことも重要です。「DXプロジェクトにはリスクや失敗はつきもの」という前提を忘れずに、小さく試しながら大きく育てていきましょう。冒頭の「勤怠管理システムを導入」が単にデジタル化だけではなく、たとえば「社員それぞれの働き方を多様化して生産性を向上する」という目的を明確に定め、その初期フェーズとして「分析データ収集」を実施するというステップを設けることが大切です。

最後になりますが、DXについて相談する相手がいないとお悩みの経営層や企画部門の方、危機感をお持ちの方がいらっしゃいましたら遠慮なく、ご相談ください。

アイデア出しや情報システム部門の立ち上げなど、お手伝いできることはたくさんあります。

 

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