2019/8/21 vol.195
BUSINESS COLUMN
“経営者の価値観をアップデートせよ”
避けられない労働人口の減少により働き方のパラダイムシフトがいよいよ本格的に起きようとしています。 労働力の減少と合わせて働き方改革に伴う労働時間の減少も求められており企業は組織運営を根底から見直す必要に迫られています。今まで以上に多種多様な人材を活用することが求められ、さらには、人材だけでなくAIやロボットなどの活用も他人事ではなくなります。
ゆとり・さとりといわれる若手世代、高齢者や海外人材の活用、そしてAIなど様々な年齢や経験、価値観の集合体としての組織が形成されていくことは間違いありません。
今までのような前にならえの組織運営では、もはや時代を乗り切れなくなってしまいました。このような時代において、多様な価値観を受け入れるための組織づくりは必要不可欠です。
しかし、日本の組織はまだまだ多様性の受け入れが苦手な印象を受けます。では、どうすれば企業は多様性を受け入れることができるのか。
解決ためのキーワードは、経営者の掲げるビジョンと理念です。
社員にとってビジョンは羅針盤となり、理念は判断基準になります。企業に存在するあらゆる価値観に対して公正で普遍的なモノサシです。「そんなの当たり前じゃないか」「すでにあるよ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、ただ額縁の中に存在しているだけで機能していない可能性があります。
社員が暗記しているだけで満足していませんか。
社員の理解が浅く間違って伝わっていませんか。
ビジョンや理念を定め、伝播の起点になることができるのは経営者だけです。自社のビジョンや理念が、もし機能していないと感じているのであれば、ビジョンや理念に対する考え方のアップデートが必要かもしれません。つまり経営者の価値観のアップデートが今の時代に一番求められていることなのです。
ご自身のアップデートが必要かどうかは下記のチェック項目で確認できます。
□ビジョンや理念がシンプルでわかりやすく、伝わる言葉になっている
□定期的に経営者自身が理念やビジョンについて思考を深めている
□発信する機会を創出できている
□自分の代わりに社員に伝える幹部層がしっかり理解している
すべてチェックがつかない場合はうまく機能していないかもしれません。 ビジョンや理念がしっかり浸透している企業は一本軸が通っているため変化に強い組織です。時代がどのように変化しようとも対応できます。
多様な価値観を受け入れられる強い組織をつくるためにまずは経営者ご自身のアップデートをはじめてみませんか。
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