2018/11/28 vol.178
BUSINESS COLUMN
“転職者はなぜ4月入社を目指すのか?”
「4月」と聞くと何を思い浮かべますか?
多くの方は、「はじまり」を想像されるのではないでしょうか。
学校の入学式、新学期の始まりは4月です。
これは1886年(明治19年)に文部省の指示で、高等師範学校が4月始まりになり、その後全国に広がったと言われています。
国の始まりも4月。
明治政府ができたころは、会計年度の始まりが何度も変わり、1886年(明治19年)より、4月始まりに変更されました。
上場企業の約7割弱も4月始まりです。
国や地方自治体の予算年度に合わせた方が、都合が良いという理由で4月始まりの企業が多いとのことです。
転職市場も、4月入社に向けて活動をする方が多いのはご存知でしょうか。
転職者の活動数は1年を通して平均化してきましたが、4月だけは下がります。それは、4月入社に向けて転職活動がひと段落した証だと思われます。
そもそも、4月入社に向けて転職活動をする方の理由は何なのでしょうか。
1.現職の仕事が、年度末区切りだから
転職希望者に話を聞くと、この理由が多いです。現状の仕事やプロジェクトなどが3月をもって終了することが多く、そこまでは責任があるため、やり切りたいという理由です。
2.子供の転校など家族のことがあるから
お子様がいらっしゃる方から多く聞きます。学期途中から転校させるよりも、新学期、それも4月から次の学校に合流することで、新しい環境に馴染みやすいようにという親心から、4月入社を希望する方も多くみられます。
3.心機一転、スタートできる
転職者ご自身も転職先に4月に入社すれば、期初からスタートできるため、馴染みやすいと考えているようです。同期の連帯感や安心感の醸成なども考慮して、中途採用も4月入社に統一している大手企業もあるそうです。
このように4月入社を目指す転職者は計画的に行動する傾向にあります。
そうなると、いつから活動を開始するのか?
11月あたりから職務経歴書の準備や企業の情報収集をはじめ、1月から企業に応募、2月3月に面接に臨み、転職先を決定するといった流れで活動しています。
総務省の労働力調査によると、転職者が最も多く活動している月は、2月の289万人。続いて1月が278万人。3月が271万人と、1年の中で多く活動するベスト3に1月、2月、3月が入っています。
4月に転職者を迎えるためには、企業は12月から準備をし、1月には求人の告知を始めることによって、良い人材に巡り合える確率が高まり、納得できる良い採用ができるのです。
中途採用にも計画的な採用活動が必要です。
今から念入りに準備されることをお勧めします。
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KAKEHASHI Q&A
“中途採用で内定承諾率を高めるための
連絡のコツを教えてください。“
Q31. 東京都 /飲食業 / 従業員数800名 / 営業職
求職者の内定承諾の鍵となるのが、選考から内定出しまでの“スピード感”です。求職者が転職にかける期間には限りがあり、面接日が数日早いというだけで他社へ内定承諾を決意することもあります。求職者からの連絡があった時には、当日か翌日までに返信しましょう。併せて返信の時間帯を配慮すると、相手の返答率が高まり、効率的に選考が進みます。例えば、求職者がオフィスワーカーであれば通勤時間に合わせた午前8時の返信、飲食業の方であれば仕事のピーク時を外した午後15時の返信がオススメです。
また求職者とのやりとりでは、相互の“コミュニケーション”を意識しましょう。例えば、電話で面接日を設定する際「なぜ弊社に応募してくださったんですか?」のようなフランクな会話から始め、相手の応募経緯に対し喜びを伝えてから本題に移るなど、スピーディーな対応の中にも温度感を感じられることが、応募者の内定承諾へのひと押しとなるでしょう。
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