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2018/11/14 vol.177

 

BUSINESS COLUMN

“大人気。「褒めちぎる自動車教習所」”

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近頃、世間を賑わしている「褒めちぎる教習所」をご存知でしょうか。
受講生に対してミスをしても絶対に叱らず、逆にミスをする前のプロセスや、リカバリーの速さなど、いいところを見つけて褒めるというメソッドで人気を集めている三重県の自動車教習所です。この教習所は自動車離れが進む中で受講者数を伸ばすだけではなく、免許試験の合格率が上がり、卒業生の事故率も減少しているそうです。

この褒めちぎる教習所の人気こそが、大きな時代の流れを表していると言えるでしょう。大学生を始めとする若い人は昔に比べて、車を持つことや運転することに憧れるわけでもなく、“何となく”免許を取得するケースが少なくありません。明確に免許を取得する目的が無い中で、お金を払って叱られる場所よりも、褒めてくれる教習所を選ぶことは当然だと言えます。

とは言え、私がお伝えしたいことは育成において社員を褒め続ければ良いということではありません。育成側(企業側)が新人の“労働観(働く上での価値観)”を正しく把握することの重要性を訴えたいのです。例えば、英語辞書にも載っている「karoushi(過労死)」の問題がメディアで取り上げられ、“働く”ということ自体をネガティブに捉える人も多くなっています。更には転職サイトのテレビCMやWEB広告を毎日のように目にし、転職が当たり前だという認識が生まれています。国も「人生100年時代」を掲げ、複線型キャリアパスのキャリアデザインを推奨しています。こういった中で、入社したばかりの新人が「その会社で」「その会社のために」「その仕事をやり続けたい」と思い続けてくれるでしょうか。反対に、働く意味を見出し、気持ちをモチベートさせ続けるにはどうしたらよいのでしょう。私は新人時代の初期教育に鍵があると考えます。

初期教育において、一般的なビジネスマナーやOJTを通じた業務指導といったビジネススキルとは別に、“新人が持つ労働観”と“会社組織のビジョン”との共通項をつくり、語り続けることが重要だと考えています。なぜならば、帰属意識が弱くても労働観への“部分的な共鳴”があるからこそ入社を決めているからです。この共鳴ポイントは人によって「やりがい」「叶えたい夢」「人とのつながり」など様々です。こういった価値観を把握し、新人時代から自社に所属する意義や意味をつくり、語り続けることで気持ちをモチベートさせることができるのです。

しかし、忘れてはいけないことがあります。それは労働観は変わり続けるということ。結婚すればお金を稼ぐことが大切になる場合もあります。仕事で得た経験が目指していた夢を変えるかもしれません。それでも新人時代から会社や上司、先輩、同期と自分の労働観をシェアできていれば、変化があった際に自然と周囲に相談できるようになります。そうすれば、新たな労働観に合致したモチベーションをつくることができるでしょう。

来年の4月に向けて研修を組んでいる方も多いかと思います。スキル研修も大切ですが、新人と語り合い、お互いの労働観を具体化し、目指す姿として提示してあげる時間も作ってあげてください。そうすることが、結果的に成長の一番の近道になるかもしれません。そのために、事前に会社として1年目として描いてほしいキャリアイメージを準備するなど、初期教育における指針を作成しておくのもよいのではないでしょうか。


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KAKEHASHI Q&A

“いつも同じ入社式ばかりでマンネリ化してきました。
       なにか面白いアイディアはありませんか?“

Q30. 東京都 /広告業 / 従業員数200名 / 営業職

 新入社員の不安や緊張を解き、先輩社員と交流するきっかけを作ることが、特に中小企業の入社式に必要な要素であると考えています。ただ楽しいだけの企画にするのではなく、入社式を通じて得たい社員の姿をイメージし、テーマを設定しましょう。
 弊社では「タテのつながり」、つまり新入社員と先輩社員の繋がりをテーマに、新入社員が会場中の先輩社員に話しかけ、情報収集をしながら謎を解く、ゲーム型の入社式を企画しました。ゲームを通じ新入社員の緊張をほぐし、素の彼らと先輩社員が交流できる機会を作りました。また、新入社員が先輩社員に声をかけ、会話を交わすことで謎が解けていくゲームを共に体験し、お互いに共通の話題を持つことで、入社式後も声を掛け合いやすい雰囲気を醸成できたのです。
 新入社員の緊張や不安を取り除くこと、新入社員と先輩社員の共通の体験を作ること、この2点を軸に貴社らしい企画を構成し、効果ある入社式にしましょう。

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