2018/10/24 vol.176
BUSINESS COLUMN
“ 秋冬採用の盲点。 ”
10月1日、全国各地で2019年度の内定式が行われました。
台風の影響で延期になった企業様もありますが、2018年9月時点での内定率は、91.6%(リクルート社調べ)となり、ここ3年でもっとも高い内定率になっています。
先日、経団連主導の「就活ルール」廃止が決定され、売り手市場化にますます拍車がかかり、出口が見えない状況になってきました。
2021年以降のスケジュールも気になるところではありますが、今回のコラムは、「それどころじゃない!まだ今年の採用が終わっていないよ!」という方々に向けて書かせていただきます。
一般的に、内定式後の新卒採用市場は、秋冬採用と呼ばれています。前述の内定率の通り、ほとんどの学生が就活を終えていますので、説明会を開催しても集まる学生はほんの一握り、ときには参加者がゼロになることもあります。
そのため、秋冬採用において多くの企業様は、
・学生イベント(合同説明会)へ出展し、直接出会う
・大学のキャリアセンターを訪問し、学生の紹介を受ける
・新卒紹介会社に紹介を依頼する
・保有している学生データベースを掘り起こして連絡する
・現在の内定者から就職先が決まっていない友人の紹介を依頼する
など、直接学生と出会える機会を重視する傾向にあります。
前半の採用活動において中心的な役割を担っていたマイナビやリクナビなどの就職媒体を活用する企業は意外と少ない。
実は、ここに盲点があるのです。
なぜなら、マイナビやリクナビといった就職媒体に掲載されている企業は、インターンシップを含む前半戦の採用活動に予算を使い切ってしまっているため、特にテコ入れもせず、ただ掲載をしているというケースがほとんどです。
実際、マイナビ2019に現在掲載されている企業は24,823社。そのなかで現在も説明会を開催しているのは5031社の約20%。一方、ここ1か月以内にマイナビを利用している学生は、109,600人でこちらも全体登録数の約20%。企業数に対する活動学生は前半戦と変わりません。
ただ、ほとんどの企業様がナビ施策に対する予算が残っていないので、ある程度の予算を投下すれば、学生に出会えるチャンスは前半戦の比ではありません。
新卒採用を「釣り堀」に例えるならば、前半戦は、魚はたくさんいるが、高価な道具やエサを揃えた釣り人が多数参戦している状態。
後半戦である秋冬採用は、魚は少ないが、エサを使い切ってただ糸を垂らしている釣り人ばかりいる状態と言えます。
人口減少の時代、ますます激化する採用競争を勝ち抜くには、セオリーに則って、王道を攻めるだけでなく、他社がやらないこと、盲点になっているポイントにいかに着目し、実践するかが勝負の分かれ目になるのではないでしょうか。
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KAKEHASHI Q&A
“2019年度採用が終わりません。
採用成功に向けてどんな施策が考えられますか?“
Q29. 東京都 / IT業 / 従業員数500名 / 新卒採用
優秀な人材の採用に苦労されているのであれば、外国人留学生にも着目してみてはいかがでしょうか。私はカウンセラーとして日々就活生と接していますが、その中にはサービス業における優秀なスキルやエンジニアなどの専門技術を持つ留学生も多くいます。彼らをクライアント企業に紹介し合格をいただくことも多々あります。
留学生を採用する上で、特に日本語力と文化の違いについて気にされる方が多いかと思います。日本語力は学生によって異なりますが、日本で生活し日本語で学んでいるので一定の日本語力に達した留学生も少なくありません。入社後も働きながら日本語を学び続けるので、ビジネスに必要な会話も習得できます。また日本の働く環境に惹かれ、日本文化にならった働き方を望む留学生が多く、文化の違いに不安を持ちすぎる必要はありません。
日本人のみを採用ターゲットとしてきた企業さまも、これからの時期留学生に目を向けてみてはいかがでしょうか。
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