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2018/08/08 vol.171

 

BUSINESS COLUMN

“キャンプ道具だって、立派な採用ツールになるんです。”

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最近、仕事中にネットでキャンプ道具ばかり見ています。

サボっているわけではありません。近いうちにクリエイティブチームとエンジニアチームのメンバーが、新オフィスに移ることになり、その内装を検討しているのです。

社長からの指令は、「アウトドアっぽくて格好いいオフィスにしてほしい」。キャンプ大好きな自分としては大歓迎なのですが、実はここには明確な狙いがあります。

優秀なクリエイターやエンジニアの採用は、近年本当に難しくなってきました。仕事内容や待遇だけで惹きつけるには限界があります。

自由闊達な雰囲気をオフィス内装でも表現することで、求職者の志望動機の一つとしようと考えたわけです。

執務スペースは全面人工芝。休憩スペースには大きなテントやハンモック。テーマは、「インスタ映えするオフィス」。なんだか、すごい時代になったなあと感じます(笑)

明確な目的があれば、キャンプ道具も立派な採用ツールになる。逆を言えば、効果を発揮しないツールの特徴は、正しい目的設定がされていないことだと言えるでしょう。

「採用サイトが古くなってきたのでリニューアルしたい」では、新しくすればそれでいいのか?違いますよね。

「文系女子と理系男子の両方を惹きつける、入社案内はつくれないだろうか」1発の弾丸で2つの的を撃ちぬくのは不可能です。

「母集団を増やすために、合同企業説明会でインパクトのあるツールを配りたい」インパクトだけで、母集団を増やすことはできません。

では、正しい目的設定とは、どんなものか?

採用ツールの目的は、課題解決です。つまり、ツール制作のはじめの一歩は、それで解決すべき課題を明らかにすることなんですね。

たとえば、あるインテリアメーカー様で、商品企画職を採用するためのツールを制作した際、私はこのような目的設定をしました。


◆先方の悩み◆
せっかく採用しても多くの新卒社員が入社3年以内に離職してしまう。マネジメント志向の社員もなかなか育たず、社員が増えても組織化が進まず困っている。

◆解決すべき課題◆
問題の根本原因は、採用にある。母集団形成の段階で「成長欲求の高い学生」や「マネジメントに興味がある学生」ではなく、ただのインテリア好きな学生を集めてしまっていることが一番の課題じゃないか。

◆採用ツールの目的◆
インテリアメーカーの商品企画職は、ただでさえ人気職種であり、多くの学生が集まる。結果的に、本来ターゲットになり得ない学生を採用してしまっている。それならば、インテリア大好きな学生をセグメントするような採用広報が必要。仕事の難しさや事業モデルの複雑さをあえて訴求し、ビジネス志向の学生を惹きつけよう。


こうした課題設定と目的設定のスキルは、私は、コンサルティング能力に近いものだと思っています。

コピーライターやデザイナーの役割は、見栄えの良い言葉やデザインをつくることじゃない。課題を発見し、解決策を示し、発展を支援すること。つまり、企業のコンサルティングです。

「自分は、コンサルタントになれているだろうか?」

ネクタイは締めずとも、仕事に向かう心構えはいつも引き締めていたいものですね。

ところで、御社のそばにいるクリエイターは、きちんとコンサルティングをしてくれているでしょうか?

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KAKEHASHI Q&A

““20卒の新卒採用HPって    
        いつ作り始めたらいいの??”“

Q24. 東京県 / IT業 / 従業員数176名 / 営業職採用

 採用ホームページの制作は、できればすぐにでも始めることをおすすめします。なぜなら、学生は興味のある企業をすぐにウェブで検索し、情報を得ようとするから。いつでもだれでもアクセスできる採用HPが、早くできればその日数分だけ追加で、学生との初期接点を作ってくれるのです。
 しかし、とりあえず作ればいいというものではありません。まず採用したい学生像の設定、採用コンセプトの設計をおこない、採用活動全体で誰に何を伝えていくのかを決めましょう。そのうえで、採用HPでは何を伝え、入社案内とどう区別するのかなどツールそれぞれの役割を明確にします。またウェブで得た情報と、実際の説明会で聞いた話が異なると学生を混乱させてしまうので、説明会や選考など学生と直接接点を持つ場面にも同じく採用コンセプトをしっかりと反映することが大切です。採用ツールだけでなく、採用活動すべてにおいて一貫したコンセプトを持ちましょう。
 まずは学生がいつでも見られる採用HPを整備することで、20採用の準備を始めませんか?


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