2018/01/10 vol.157
BUSINESS COLUMN
“ 2019新卒採用成功に向けて、1月に取り組むべき2つのこと ”
「年明け1~2月は、1年を通して仕事のピークだ」。そう話すのは、某企業の新卒採用担当者のAさん。社内にたった一人しかいない新卒採用担当者として、18年卒の内定者が無事に入社してくれるかハラハラしながら4月以降の研修準備を進めつつ、19採用成功に向けて、ナビ媒体への出稿や説明会等の準備を進めているとのことです。
確かにこの時期は、18年度の受け入れ準備と19年度の採用活動が重なる時期であり、目の前の仕事に追われる新卒採用担当者はAさんに限ったことではないかもしれません。
さて、ただでさえ忙しいこの時期ですが、19採用の結果を左右する大切な時期でもあります。もちろん現時点までの準備も非常に大切ですが、実はこの1月に、目の前の仕事だけに追われず、19採用を俯瞰して「準備のツメ」ができるかどうか。それが結果を左右するのです。今回は、盲点になりやすい準備のツメについて、2つほどお伝えできればと思います。
1つ目は、「採用活動に対する全社的な意識醸成」です。
学生は企業を選ぶ際、ホームページや会社説明会など、“企業側が意図的に学生に見せるもの”だけを見て判断するわけではありません。オフィスの清潔感や、すれ違った社員の対応、ふと耳に入ってきた社員同士の会話なども彼らの重要な情報源なのです。むしろ、そのように直接見せるつもりでない部分の方が、よりリアルな情報として受け取られるかもしれません。そのように考えると、採用活動は人事だけの仕事ではなく、全社的に行う活動だと捉えることができます。採用に関する情報やノウハウも、人事だけで保有するものでもありません。直接採用活動に携わらない社員も含めて全社に対し、採用市場の状況、自社の採用戦略、学生の来社時における注意事項などを共有し、全社的に採用活動に対する意識を醸成しましょう。そんな少し遠回りにも思えるような活動が、学生にいつ、どこで、だれを、見られたとしても、一貫した良い企業イメージを持たれるための一助となり、採用活動の成果に直結するのです。
2つ目は、「プランBの検討」です。
競争が激化する採用市場において、多くの場合、当初の計画通りに採用活動を遂行することは難しい状況にあります。そんな中にあっても、ひと段落つくまで当初の計画通りに採用活動を進め、うまくいかなかった部分を追加施策として事後的に時間をかけて検討するという企業は少なくありません。そもそも採用本格化直前に、計画が失敗する前提で予備の計画を立てるということは、精神的にも稟議的にもハードルが高く、どうしても後回しにしたくなる気持ちになるのが普通です。しかし学生はあくまでも生ものです。事後的に情報収集し、施策を比較検討し、稟議を通し、実行に至るまでの間にどんどん優秀な学生は市場から消えていってしまいます。それは言うまでもなく、採用競争における大きな機会損失です。プランBを当初から予定に組み込んでおくことは、方向転換の必要性を感じてから実行までのスピードを飛躍的に高め、ロスを防ぐための有効な手段なのです。
「採用活動についての全社的な共有」と「プランBの検討」。この一見遠回りに思える2つの取り組みは、余裕がなければどうしても盲点になりがちではありますが、成果に直結する重要な施策です。新入社員の受け入れと採用活動本格化を間近に控え、考えることや業務量が増えている今だからこそ、あえて少し立ち止まって検討してみてはいかがでしょうか。
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KAKEHASHI Q&A
“会社説明会を企画する際のポイントは?”
Q11. 東京都 / 飲食 / 従業員数687名 / 接客職採用
私が最も重視するのは「参加社員のキャスティング」です。会社説明会のゴールは、「もっとこの会社について知りたい!」とターゲット学生の興味関心を高め、次の選考ステップを希望してもらうこと。それを実現するためには、もちろんプレゼンテーションで何を話すのかも大切ですが、「登場する社員が魅力的に映るかどうか」がカギを握ります。活躍している社員のスケジュールを抑えるのはなかなか大変だと思いますが、会社説明会にはいきいきと働く、ロールモデルとなる社員をキャスティングしましょう。
どうしてもスケジュールが抑えられない場合は、パンフレットや動画など魅力を代弁してくれるツールを上手に活用してください。また、今後協力を仰ぎやすくするためには、説明会前だけではなく常日頃から採用活動の重要性を社内に発信し続けることが大切です。
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